数学C / 平面上の曲線と複素数平面

2次曲線と直線の関係

要点整理

放物線・楕円・双曲線を総称して2次曲線と呼びます(これらの方程式には、$x^2$ や $y^2$ など、2次の項が登場するからです)。ここでは、2次曲線と直線の位置関係を調べる方法を学びます。

共有点の個数と判別式

2次曲線と直線の共有点(交点)の個数を調べるには、数学Iで円と直線の関係を調べたときと同じ考え方を使います。

  1. 直線の式を2次曲線の式に代入し、$x$(または $y$)だけの方程式を作る。
  2. できた方程式が2次方程式になる場合、その判別式 $D$ の符号を調べる。
    • $D>0$ のとき、共有点は $2$ 個(直線は曲線と2点で交わる)
    • $D=0$ のとき、共有点は $1$ 個(直線は曲線に接する。この直線を接線という)
    • $D<0$ のとき、共有点は $0$ 個(交わらない)

放物線の場合、直線が軸(放物線が伸びていく方向の直線)に平行なときは、代入した式が2次方程式ではなく1次方程式になり、共有点はちょうど $1$ 個になります。これは接する場合とは異なる現象なので、代入した式が本当に2次方程式になっているかどうかを、最初に確認する習慣をつけましょう。

接線の公式

円の接線については、数学IIで次の公式を学びました。円 $x^2+y^2=r^2$ 上の点 $(x_0,y_0)$ における接線の方程式は、

$x_0x + y_0y = r^2$

でした。これと同じような形の公式が、楕円・双曲線・放物線にもあります。

楕円 $\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1$ 上の点 $(x_0,y_0)$ における接線の方程式:

$\frac{x_0x}{a^2}+\frac{y_0y}{b^2}=1$

双曲線 $\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1$ 上の点 $(x_0,y_0)$ における接線の方程式:

$\frac{x_0x}{a^2}-\frac{y_0y}{b^2}=1$

放物線 $y^2=4px$ 上の点 $(x_0,y_0)$ における接線の方程式:

$y_0y = 2p(x+x_0)$

これらの公式は、円のときと同じように「もとの方程式の $x^2$ の片方を $x_0x$ に、$y^2$ の片方を $y_0y$ に置きかえる」という規則で作られています(放物線の場合は $y^2 \to y_0y$、$x \to \dfrac{x+x_0}{2}$ という置きかえです)。これらの式が実際に接線になっていることは、直線をもとの曲線の式に代入して判別式を計算すると $D=0$ になることから確認できます(例題3で実際に確認します)。

例題

例題1(基本)

問題

直線 $y=x+3$ と楕円 $\dfrac{x^2}{4}+y^2=1$ の共有点の個数を求めなさい。

解答・解説を見る

直線の式を楕円の式に代入します。$y=x+3$ を $\dfrac{x^2}{4}+y^2=1$ に代入すると、

$\frac{x^2}{4}+(x+3)^2=1$

分数をなくすため、両辺を $4$ 倍します。

$x^2+4(x+3)^2=4$

$(x+3)^2=x^2+6x+9$ なので $4(x+3)^2=4x^2+24x+36$ です。これを代入します。

$x^2+4x^2+24x+36=4$

左辺を整理し、右辺の $4$ を左辺に移項します。

$5x^2+24x+36-4=0$

$5x^2+24x+32=0$

これは $x$ についての2次方程式です。判別式 $D=b^2-4ac$ を計算します($a=5$、$b=24$、$c=32$ とします)。

$D = 24^2 - 4\times5\times32 = 576 - 640 = -64$

$D<0$ なので、この2次方程式に実数解はありません。つまり、直線と楕円は共有点を持ちません。

答え: 共有点の個数は $0$ 個

例題2(標準)

問題

直線 $y=x+k$ が楕円 $\dfrac{x^2}{4}+y^2=1$ に接するように、定数 $k$ の値を求めなさい。

解答・解説を見る

$y=x+k$ を楕円の式に代入します。

$\frac{x^2}{4}+(x+k)^2=1$

両辺を $4$ 倍します。

$x^2+4(x+k)^2=4$

$(x+k)^2=x^2+2kx+k^2$ なので $4(x+k)^2=4x^2+8kx+4k^2$ です。

$x^2+4x^2+8kx+4k^2=4$

整理します。

$5x^2+8kx+4k^2-4=0$

「接する」とは共有点が $1$ 個ということなので、この2次方程式の判別式が $D=0$ になる条件を求めます。$a=5$、$b=8k$、$c=4k^2-4$ として、

$D = (8k)^2-4\times5\times(4k^2-4)$

$= 64k^2 - 20(4k^2-4)$

$= 64k^2 - 80k^2+80$

$= -16k^2+80$

$D=0$ とおきます。

$-16k^2+80=0$

両辺を $-16$ で割ります。

$k^2 = 5$

$k = \pm\sqrt{5}$

答え: $k=\sqrt{5}$ または $k=-\sqrt{5}$

例題3(応用)

問題

楕円 $\dfrac{x^2}{4}+y^2=1$ 上の点 $\left(\sqrt{2}, \dfrac{\sqrt{2}}{2}\right)$ における接線の方程式を求めなさい。また、その直線が本当に接線になっていることを、判別式を使って確認しなさい。

解答・解説を見る

接線の方程式を求める

接線の公式 $\dfrac{x_0x}{a^2}+\dfrac{y_0y}{b^2}=1$ に、$a^2=4$、$b^2=1$、$x_0=\sqrt{2}$、$y_0=\dfrac{\sqrt{2}}{2}$ を代入します。

$\frac{\sqrt{2}\,x}{4} + \frac{\dfrac{\sqrt{2}}{2}y}{1} = 1$

$\frac{\sqrt{2}}{4}x + \frac{\sqrt{2}}{2}y = 1$

両辺を $4$ 倍して分数を払います。

$\sqrt{2}x + 2\sqrt{2}y = 4$

両辺を $\sqrt{2}$ で割ります。

$x + 2y = \frac{4}{\sqrt{2}}$

右辺の分母を有理化します。$\dfrac{4}{\sqrt{2}} = \dfrac{4\sqrt{2}}{2} = 2\sqrt{2}$ なので、

$x+2y = 2\sqrt{2}$

判別式で確認する

この直線を $y$ について解くと、$y = -\dfrac{1}{2}x+\sqrt{2}$ です。これを楕円の式 $\dfrac{x^2}{4}+y^2=1$ に代入します。

$y^2 = \left(-\frac{1}{2}x+\sqrt{2}\right)^2 = \frac{1}{4}x^2 - 2\times\frac{1}{2}x\times\sqrt{2} + 2 = \frac{1}{4}x^2 - \sqrt{2}x + 2$

したがって、

$\frac{x^2}{4} + \frac{1}{4}x^2 - \sqrt{2}x+2 = 1$

左辺の $x^2$ の項をまとめます。$\dfrac{x^2}{4}+\dfrac{1}{4}x^2 = \dfrac{1}{2}x^2$ なので、

$\frac{1}{2}x^2 - \sqrt{2}x + 2 = 1$

両辺から $1$ を引きます。

$\frac{1}{2}x^2 - \sqrt{2}x + 1 = 0$

両辺を $2$ 倍して分数をなくします。

$x^2 - 2\sqrt{2}x + 2 = 0$

判別式を計算します。$a=1$、$b=-2\sqrt{2}$、$c=2$ として、

$D = (-2\sqrt{2})^2 - 4\times1\times2 = 8-8 = 0$

$D=0$ となったので、この直線は確かに楕円に接しています。

答え: 接線の方程式は $x+2y=2\sqrt{2}$。判別式が $D=0$ となることから、接線であることが確認できた。

練習問題

問題1

直線 $y=x-2$ と放物線 $y^2=4x$ の共有点の個数を求めなさい。

答え

$2$ 個

(解説: $(x-2)^2=4x$ を展開すると $x^2-4x+4=4x$、整理すると $x^2-8x+4=0$。$D=64-16=48>0$ なので共有点は $2$ 個。)

問題2

直線 $y=2x+k$ が双曲線 $\dfrac{x^2}{4}-\dfrac{y^2}{9}=1$ に接するように、定数 $k$ の値を求めなさい。

答え

$k=\sqrt{7}$ または $k=-\sqrt{7}$

(解説: 代入すると $\dfrac{x^2}{4}-\dfrac{(2x+k)^2}{9}=1$。両辺を $36$ 倍して整理すると $7x^2+16kx+4k^2+36=0$。$D=(16k)^2-4\times7\times(4k^2+36)=256k^2-112k^2-1008=144k^2-1008$。$D=0$ より $k^2=7$。)

問題3

放物線 $y^2=8x$ 上の点 $(2, 4)$ における接線の方程式を求めなさい。

答え

$x-y+2=0$(すなわち $y=x+2$)

(解説: $4p=8$ より $p=2$。接線の公式 $y_0y=2p(x+x_0)$ に $y_0=4$、$x_0=2$ を代入すると $4y=4(x+2)=4x+8$、両辺を $4$ で割ると $y=x+2$。)