数学III / 極限
章末問題
章末問題
問題1
次の極限を求めなさい。
$\lim_{n\to\infty}\frac{5n^2-3n+1}{2n^2+n}$
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分子・分母の中で最も次数が高いのは $n^2$ なので、分子・分母を $n^2$ で割ります。
$\frac{5n^2-3n+1}{2n^2+n} = \frac{5-\dfrac{3}{n}+\dfrac{1}{n^2}}{2+\dfrac{1}{n}}$
$n\to\infty$ のとき $\dfrac{3}{n}\to 0$、$\dfrac{1}{n^2}\to 0$、$\dfrac{1}{n}\to 0$ なので、
$\lim_{n\to\infty}\frac{5n^2-3n+1}{2n^2+n} = \frac{5-0+0}{2+0} = \frac{5}{2}$
答え:$\dfrac{5}{2}$
問題2
次の極限を求めなさい。
$\lim_{n\to\infty} n\left(\sqrt{n^2+1}-n\right)$
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まず $\sqrt{n^2+1}-n$ の部分を有理化します。$\sqrt{n^2+1}+n$ を分子・分母に掛けます。
$\sqrt{n^2+1}-n = \frac{\left(\sqrt{n^2+1}-n\right)\left(\sqrt{n^2+1}+n\right)}{\sqrt{n^2+1}+n} = \frac{(n^2+1)-n^2}{\sqrt{n^2+1}+n} = \frac{1}{\sqrt{n^2+1}+n}$
したがって、求めたい式は
$n\left(\sqrt{n^2+1}-n\right) = \frac{n}{\sqrt{n^2+1}+n}$
分子・分母を $n$ で割ります。$n>0$ なので $\sqrt{n^2+1}=\sqrt{n^2\left(1+\frac{1}{n^2}\right)}=n\sqrt{1+\frac{1}{n^2}}$ となることを使うと、
$\frac{n}{\sqrt{n^2+1}+n} = \frac{n\div n}{\left(n\sqrt{1+\frac{1}{n^2}}+n\right)\div n} = \frac{1}{\sqrt{1+\dfrac{1}{n^2}}+1}$
$n\to\infty$ のとき $\dfrac{1}{n^2}\to 0$ なので、
$\lim_{n\to\infty} n\left(\sqrt{n^2+1}-n\right) = \frac{1}{\sqrt{1+0}+1} = \frac{1}{1+1} = \frac{1}{2}$
答え:$\dfrac{1}{2}$
問題3
数列 $\{(1-2x)^n\}$ が収束するような $x$ の値の範囲を求めなさい。また、$x=\dfrac{1}{4}$ のとき、無限等比級数 $\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}(1-2x)^n$ の和を求めなさい。
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前半:収束条件
数列 $\{r^n\}$ が収束するのは $-1 $-1<1-2x\leq 1$ を解きます。各辺から $1$ を引きます。 $-1-1<1-2x-1\leq 1-1$ $-2<-2x\leq 0$ 各辺を $-2$ で割ります。負の数で割るので、不等号の向きが反転することに注意します。 $1>x\geq 0\quad\text{すなわち}\quad 0\leq x<1$ 後半:$x=\dfrac{1}{4}$ のときの和 $x=\dfrac{1}{4}$ を公比に代入すると、 $r = 1-2\times\frac{1}{4} = 1-\frac{1}{2} = \frac{1}{2}$ この級数 $\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}(1-2x)^n=\sum_{n=1}^{\infty}r^n=r+r^2+r^3+\cdots$ は、初項 $a=r=\dfrac{1}{2}$、公比 $r=\dfrac{1}{2}$ の無限等比級数です($-1<\dfrac{1}{2}<1$ なので収束します)。和の公式 $\dfrac{a}{1-r}$ を使うと、 $\sum_{n=1}^{\infty}\left(\frac{1}{2}\right)^n = \frac{\dfrac{1}{2}}{1-\dfrac{1}{2}} = \frac{\dfrac{1}{2}}{\dfrac{1}{2}} = 1$ 答え:収束条件は $0\leq x<1$。$x=\dfrac14$ のときの和は $1$。
問題4
無限等比級数の考え方を利用して、循環小数 $0.181818\ldots$ を分数で表しなさい。
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$0.181818\ldots$ は、$0.18$、$0.0018$、$0.000018$、$\ldots$ を無限に足し合わせたものと考えられます。
$0.181818\ldots = 0.18+0.0018+0.000018+\cdots$
これは初項 $a=0.18$、公比 $r=0.01$ の無限等比級数です($-1<0.01<1$ なので収束します)。和の公式より、
$0.181818\ldots = \frac{0.18}{1-0.01} = \frac{0.18}{0.99}$
分子・分母を $100$ 倍して整数にします。
$\frac{0.18}{0.99} = \frac{18}{99}$
分子・分母を最大公約数 $9$ で割って約分します。
$\frac{18}{99} = \frac{18\div 9}{99\div 9} = \frac{2}{11}$
答え:$\dfrac{2}{11}$
問題5
次の極限を求めなさい。
$\lim_{x\to 1}\frac{x^3-1}{x-1}$
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$x\to 1$ のとき分子・分母がともに $0$ に近づくので $\dfrac{0}{0}$ の不定形です。分子を因数分解します。$a^3-b^3=(a-b)(a^2+ab+b^2)$ の公式より、
$x^3-1 = x^3-1^3 = (x-1)(x^2+x\cdot 1+1^2) = (x-1)(x^2+x+1)$
$x\neq 1$ の範囲で約分すると、
$\frac{x^3-1}{x-1} = x^2+x+1$
したがって、
$\lim_{x\to 1}\frac{x^3-1}{x-1} = \lim_{x\to 1}(x^2+x+1) = 1^2+1+1 = 3$
答え:$3$
問題6
次の極限を求めなさい。
$\lim_{x\to 0}\frac{\sin 5x}{\sin 2x}$
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$x\to 0$ のとき分子・分母がともに $0$ に近づくので $\dfrac{0}{0}$ の不定形です。分母・分子をそれぞれ $x$ で割って、基本極限 $\lim_{t\to 0}\dfrac{\sin t}{t}=1$ が使える形を作ります。
$\frac{\sin 5x}{\sin 2x} = \frac{\dfrac{\sin 5x}{x}}{\dfrac{\sin 2x}{x}} = \frac{5\times\dfrac{\sin 5x}{5x}}{2\times\dfrac{\sin 2x}{2x}}$
$x\to 0$ のとき $5x\to 0$、$2x\to 0$ なので、$\dfrac{\sin 5x}{5x}\to 1$、$\dfrac{\sin 2x}{2x}\to 1$ となります。したがって、
$\lim_{x\to 0}\frac{\sin 5x}{\sin 2x} = \frac{5\times 1}{2\times 1} = \frac{5}{2}$
答え:$\dfrac{5}{2}$
問題7
方程式 $\cos x = x$ は、$0 $f(x)=\cos x - x$ とおきます。$\cos x$ も $x$ もともに連続な関数であり、連続な関数どうしの差もまた連続なので、$f(x)$ は閉区間 $\left[0,\dfrac{\pi}{2}\right]$ で連続です。 区間の両端での値を計算します。 $f(0) = \cos 0 - 0 = 1-0 = 1$ $f\left(\frac{\pi}{2}\right) = \cos\frac{\pi}{2}-\frac{\pi}{2} = 0-\frac{\pi}{2} = -\frac{\pi}{2}$ $f(0)=1>0$、$f\left(\dfrac{\pi}{2}\right)=-\dfrac{\pi}{2}<0$ で異符号なので、 $f(0)\times f\left(\frac{\pi}{2}\right) = 1\times\left(-\frac{\pi}{2}\right) < 0$ $f(x)$ は $\left[0,\dfrac{\pi}{2}\right]$ で連続かつ両端の値が異符号なので、中間値の定理より、 $f(c)=0$ を満たす $c$ が開区間 $\left(0,\dfrac{\pi}{2}\right)$ に少なくとも1つ存在します。この $c$ は $\cos c = c$ を満たすので、方程式 $\cos x=x$ は $0 答え:$f(x)=\cos x-x$ が連続で $f(0)=1>0$、$f\left(\frac{\pi}{2}\right)=-\frac{\pi}{2}<0$ と異符号になるため、中間値の定理より解が存在する。 数列 $a_n=\dfrac{(-2)^n}{n}$ の収束・発散を調べなさい。 まず、絶対値を考えます。 $|a_n| = \frac{|(-2)^n|}{n} = \frac{2^n}{n}$ $2^n$ は指数関数的に増加し、$n$ は1次関数的にしか増加しないため、$n$ が大きくなるほど $\dfrac{2^n}{n}$ はどこまでも大きくなっていきます(直感的には、分子の増える速さが分母の増える速さを圧倒的に上回るということです)。したがって、 $\lim_{n\to\infty} |a_n| = \infty$ 一方で、$(-2)^n$ の符号は $n$ が偶数のとき正、奇数のとき負と交互に入れ替わります。つまり $a_n$ は、 という動きをするので、一定の値に近づくことはなく、また正・負どちらか一方の無限大に向かうわけでもありません。したがって、この数列は振動して発散します。 答え:振動して発散する(収束しない)。解答・解説を見る
問題8
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