数学III / 極限
無限等比数列・無限級数
要点整理
無限等比数列の極限
数学Bで学んだ等比数列 $\{r^n\}=r,r^2,r^3,\dots$ について、$n\to\infty$ のときの極限は、公比 $r$ の値によって次の4つの場合に分かれます。
- $r>1$ のとき:例えば $r=2$ なら $2,4,8,16,\dots$ とどんどん大きくなるので、$\lim_{n\to\infty} r^n = \infty$(正の無限大に発散)
- $r=1$ のとき:$1,1,1,\dots$ なので、$\lim_{n\to\infty} r^n = 1$(収束)
- $-1
:例えば $r=\dfrac{1}{2}$ なら $\dfrac{1}{2},\dfrac{1}{4},\dfrac{1}{8},\dots$ とどんどん $0$ に近づくので、$\lim_{n\to\infty} r^n = 0$(収束) - $r\leq -1$ のとき:例えば $r=-1$ なら $-1,1,-1,1,\dots$ を繰り返して振動します。$r<-1$(例えば $r=-2$)の場合も、$-2,4,-8,16,\dots$ のように正負を繰り返しながら絶対値がどんどん大きくなるため、一定の値に近づかず発散します。
まとめると、$\{r^n\}$ が収束するのは $-1
無限級数とは何か
数列 $\{a_n\}$ の項を次々に足していく式
$a_1+a_2+a_3+\cdots = \sum_{n=1}^{\infty} a_n$
を無限級数といいます。無限個の数を実際に全部足すことはできないので、この和の意味は次のように定義します。まず、最初の $n$ 項までの和(部分和)を
$S_n = a_1+a_2+\cdots+a_n$
とします。この $S_n$ は普通の(有限個の)数列なので、$n\to\infty$ のときの極限 $\lim_{n\to\infty} S_n$ を考えることができます。この極限が存在して $S$ という値に収束するとき、無限級数 $\sum_{n=1}^{\infty} a_n$ は $S$ に収束するといい、
$\sum_{n=1}^{\infty} a_n = S$
と書きます。つまり、「無限級数の和」とは「部分和という数列の極限」のことなのです。
無限等比級数の和
初項 $a$、公比 $r$ の等比数列 $a,ar,ar^2,\dots$ を無限に足し合わせた無限級数
$\sum_{n=1}^{\infty} ar^{n-1} = a+ar+ar^2+\cdots$
を無限等比級数といいます。この部分和は、数学Bの等比数列の和の公式より($r\neq 1$ のとき)
$S_n = \frac{a(1-r^n)}{1-r}$
です。ここで $n\to\infty$ とすると、$-1 $\lim_{n\to\infty} S_n = \frac{a(1-0)}{1-r} = \frac{a}{1-r}$ となり、無限等比級数は収束します。まとめると次の通りです。 問題 次の無限等比級数の和を求めなさい。 $3+\frac{3}{2}+\frac{3}{4}+\frac{3}{8}+\cdots$ この級数は初項 $a=3$ の等比数列です。公比 $r$ は、隣り合う項の比を取ることで求められます。 $r = \frac{3/2}{3} = \frac{1}{2}$ $-1 $\sum_{n=1}^{\infty} 3\left(\frac{1}{2}\right)^{n-1} = \frac{3}{1-\dfrac{1}{2}} = \frac{3}{\dfrac{1}{2}} = 3\times 2 = 6$ 答え:$6$ 問題 数列 $\{(2x-1)^n\}$ が収束するような $x$ の値の範囲を求めなさい。 数列 $\{r^n\}$ が収束するのは $-1 $-1<2x-1\leq 1$ という不等式を解きます。まず全体に $1$ を足します。 $-1+1 < 2x-1+1 \leq 1+1$ $0<2x\leq 2$ 次に全体を $2$ で割ります(正の数で割るので不等号の向きは変わりません)。 $0 答え:$0 問題 床から $10\,\text{m}$ の高さでボールを落とすと、1回床にはね返るたびに、直前に落ちてきた高さの $\dfrac{1}{2}$ の高さまで跳ね上がるとします。ボールが上下運動をやめるまでに動く距離の合計を求めなさい。 ボールの動きを整理します。 これを式にすると、動いた距離の合計 $L$ は、最初の落下 $10$ に、往復運動の無限級数を足したものになります。 $L = 10 + 2\times 10\times\frac{1}{2} + 2\times 10\times\left(\frac{1}{2}\right)^2 + 2\times 10\times\left(\frac{1}{2}\right)^3+\cdots$ 第2項以降は、初項 $2\times 10\times\dfrac{1}{2}=10$、公比 $\dfrac{1}{2}$ の無限等比級数です。$-1<\dfrac{1}{2}<1$ なので収束し、和の公式より $10+10\times\frac{1}{2}+10\times\left(\frac{1}{2}\right)^2+\cdots = \frac{10}{1-\dfrac{1}{2}} = \frac{10}{\dfrac{1}{2}} = 20$ したがって、動いた距離の合計は $L = 10+20 = 30\,(\text{m})$ 答え:$30\,\text{m}$ 問題1 次の無限等比級数の和を求めなさい。 $4-2+1-\frac{1}{2}+\cdots$ 初項 $a=4$、公比 $r=\dfrac{-2}{4}=-\dfrac{1}{2}$ で $-1 問題2 数列 $\{(x-2)^n\}$ が収束するような $x$ の値の範囲を求めなさい。 $-1
例題
例題1(基本)
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例題2(標準)
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例題3(応用)
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練習問題
答え
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