数学II / 微分・積分の考え

頻出解法パターン

パターン1: 極限の定義から微分係数・導関数を求める

こんな問題で使う

「定義に従って $f'(a)$(または $f'(x)$)を求めよ」という指示がある問題。まだ微分公式を使ってはいけない、基本に立ち返る問題です。

解法の手順

  1. $f(a+h)$ を計算し、展開して整理する。
  2. $f(a+h)-f(a)$ を計算する(同類項が消えて、必ず $h$ を因数に持つ式になる)。
  3. $h$ でくくり、分母の $h$ と約分する。
  4. $h\to0$ の極限をとる($h$ を含む項は $0$ になる)。

具体例

$f(x)=x^2+2x$ のとき、$f(a+h)-f(a)=(a+h)^2+2(a+h)-(a^2+2a)=2ah+h^2+2h=h(2a+h+2)$。$h$ で割って $h\to0$ とすると $f'(a)=2a+2$。


パターン2: かけ算の形をした式は展開してから微分・積分する

こんな問題で使う

$(x+1)(x-2)^2$ のように、積の形のままでは微分・積分の公式が直接使えない式が与えられている問題。

解法の手順

  1. かけ算の部分をすべて展開し、$x$ の多項式(足し算・引き算だけの形)に直す。
  2. 同類項をまとめて整理する。
  3. 整理した多項式に対して、項ごとに微分公式・積分公式を当てはめる。

具体例

$f(x)=(x-1)(x+3)$ を積分するときは、先に $x^2+2x-3$ に展開してから $\displaystyle\int(x^2+2x-3)\,dx=\dfrac{x^3}{3}+x^2-3x+C$ と計算する。


パターン3: 接線の方程式を作る(2つのケース)

こんな問題で使う

「曲線上の点における接線を求めよ」、または「曲線外の点から引いた接線を求めよ」という問題。

解法の手順

  • 接点が分かっている場合: $f'(x)$ を求め、接点の $x=a$ を代入して傾き $f'(a)$ と $y$座標 $f(a)$ を求め、$y-f(a)=f'(a)(x-a)$ に代入する。
  • 接点が分かっていない場合(曲線外の点から引く場合): 接点の $x$ 座標を文字 $t$ とおき、接線の式を $t$ を使って表す。その直線が指定された点を通るという条件から $t$ の方程式を立てて解き、得られた $t$ の値を接線の式に戻す。

具体例

点 $(0,-4)$ から $y=x^2$ に引いた接線を求めるとき、接点を $(t,t^2)$ とおくと接線は $y=2tx-t^2$。これが $(0,-4)$ を通るので $-4=-t^2$ より $t^2=4$、$t=\pm2$。それぞれ代入して2本の接線が求まる。


パターン4: 増減表を作って極値・グラフの概形を調べる

こんな問題で使う

「$f(x)$ の増減を調べよ」「極大値・極小値を求めよ」「グラフの概形をかけ」という問題。

解法の手順

  1. $f'(x)$ を求め、因数分解する。
  2. $f'(x)=0$ の解を求める。
  3. 各解の間・外側の区間で $f'(x)$ の符号を(代表値を代入して)調べる。
  4. 増減表にまとめ、符号がプラスからマイナスに変わる点を極大、マイナスからプラスに変わる点を極小と判定する。
  5. 極値の $x$ 座標を $f(x)$ に代入して、極値そのものを計算する。

具体例

$f(x)=x^3-12x$ なら $f'(x)=3x^2-12=3(x-2)(x+2)$。$x=-2$ で極大値 $f(-2)=-8+24=16$、$x=2$ で極小値 $f(2)=8-24=-16$。


パターン5: 3次方程式の実数解の個数を極値の符号で判定する

こんな問題で使う

「方程式 $f(x)=k$(または $f(x)=0$)の異なる実数解の個数を求めよ」「異なる3つの実数解を持つ $k$ の範囲を求めよ」という問題。

解法の手順

  1. 左辺を $f(x)$ とみて増減表を作り、極大値 $M$ と極小値 $m$($M>m$ の場合)を求める。
  2. $k$(または $0$)が $m$ と $M$ の間にあるか、境目にあるか、外側にあるかを調べる。
  3. $m

具体例

$f(x)=x^3-3x$ の極大値は $f(-1)=2$、極小値は $f(1)=-2$。方程式 $x^3-3x=k$ が異なる3つの実数解を持つのは $-2


パターン6: 不等式の証明に最小値を利用する

こんな問題で使う

「$x\ge a$ のとき、不等式 $f(x)\ge g(x)$ が成り立つことを証明せよ」という問題。

解法の手順

  1. $h(x)=f(x)-g(x)$ とおき、証明したい不等式を「$x\ge a$ の範囲で $h(x)\ge0$」という形に言い換える。
  2. $h'(x)$ を求め、$x\ge a$ の範囲での増減を調べる。
  3. その範囲での $h(x)$ の最小値を求める。
  4. 最小値が $0$ 以上であれば、範囲内のすべての $x$ で $h(x)\ge0$、つまりもとの不等式が成り立つと結論する。

具体例

$x\ge0$ で $x^3+2\ge3x$ を示すには、$h(x)=x^3-3x+2$ の $x\ge0$ における最小値を調べる。$h'(x)=3(x-1)(x+1)$ より $x=1$ で最小値 $h(1)=0$ をとるので、$h(x)\ge0$ が成り立つ。


パターン7: 面積の6分の1公式で計算を時短する

こんな問題で使う

放物線と直線、または2つの放物線で囲まれた面積を求める問題。

解法の手順

  1. 2つの式を連立させて、交点の $x$ 座標 $\alpha,\beta$($\alpha<\beta$)を求める。
  2. 上の関数から下の関数を引いた式を $f(x)-g(x)$ の形で作り、これが $a(x-\alpha)(x-\beta)$ の形に因数分解できることを確認する。
  3. 面積を $S=|a|\times\dfrac{(\beta-\alpha)^3}{6}$ で一気に計算する。

具体例

$y=x^2-1$ と $y=-x+1$ の交点は $x^2-1=-x+1$ より $x^2+x-2=0$、$(x+2)(x-1)=0$ で $x=-2,1$。差は $(-x+1)-(x^2-1)=-x^2-x+2=-(x+2)(x-1)$ で $a=-1$。面積は $1\times\dfrac{(1-(-2))^3}{6}=\dfrac{27}{6}=\dfrac{9}{2}$。