数学II / 指数関数・対数関数

常用対数とその応用(桁数・最高位の数)

要点整理

対数はどんな数を底にしても定義できますが、実際の計算や応用でよく使われるのは、底が $10$ の対数です。これを常用対数と呼びます。

$\log_{10} M$

底の $10$ を省略して、単に $\log M$ と書くこともあります。常用対数がよく使われる理由は、私たちが日常で使っている数の表し方(十進法)が、まさに $10$ を基準にした仕組みだからです。常用対数を使うと、とてつもなく大きい数(たとえば $2^{100}$ のような数)について、実際に計算しなくても「何桁の数か」「いちばん左の数字(最高位の数字)は何か」を求めることができます。

この単元の問題では、$\log_{10}2 = 0.3010$、$\log_{10}3=0.4771$ のような、あらかじめ与えられた近似値を使って計算するのが一般的です。

桁数を求める方法

正の整数 $N$ の桁数を求める方法を考えます。たとえば、$3$桁の整数は $100$ 以上 $1000$ 未満の数(つまり $100,101,\dots,999$)です。これを不等式で書くと、

$10^2 \leqq N < 10^3$

一般に、$N$ が $(k+1)$桁の整数であるとき、

$10^{k} \leqq N < 10^{k+1}$

という関係が成り立ちます($10^k$ がちょうど $(k+1)$桁のいちばん小さい数、$10^{k+1}$ が $(k+2)$桁のいちばん小さい数にあたるからです)。この不等式全体に、底 $10$ の対数をとります。対数関数 $y=\log_{10}x$ は単調増加($10>1$ なので)なので、不等式の向きはそのまま保たれます。

$\log_{10}(10^k) \leqq \log_{10}N < \log_{10}(10^{k+1})$

$\log_{10}(10^k)=k$、$\log_{10}(10^{k+1})=k+1$ なので、

$k \leqq \log_{10}N < k+1$

つまり、$\log_{10}N$ を計算して、その値の整数部分が $k$ であれば、$N$ の桁数は $k+1$ 桁である、ということが分かります。$\log_{10}N$ の整数部分を求めてから、それに $1$ を足すのを忘れないようにしましょう。

最高位の数字を求める方法

$\log_{10}N$ を計算した結果が $k+f$($k$ は整数部分、$f$ は $0\leqq f<1$ を満たす小数部分)という形になったとします。このとき、

$N = 10^{k+f} = 10^k \times 10^f$

と書けます。$0\leqq f<1$ なので、$10^f$ は $10^0=1$ 以上 $10^1=10$ 未満の数です。つまり、$10^f$ は「一の位に何かの数字がある、$1$桁の数(の小数)」に対応していて、これに $10^k$(これは「$0$ を $k$ 個並べる」ような、桁をずらす役割)をかけることで、$N$ 全体の最高位の数字が決まります。

具体的には、$1,2,\dots,9$ のそれぞれの数の常用対数($\log_{10}1=0,\ \log_{10}2\approx0.3010,\ \log_{10}3\approx0.4771,\dots$)と $f$ の値を比べて、$f$ がどの区間に入るかを調べれば、最高位の数字が分かります。具体的な手順は例題3で確認します。

例題

例題1(基本)

問題

$2^{10}$ の桁数を求めなさい($\log_{10}2=0.3010$ とする)。

解答・解説を見る

$\log_{10}(2^{10})$ を計算します。累乗の法則 $\log_aM^k=k\log_aM$ を使うと、

$\log_{10}(2^{10}) = 10\times\log_{10}2$

与えられた値 $\log_{10}2=0.3010$ を代入します。

$= 10\times0.3010 = 3.010$

この値の整数部分は $3$ です。$3\leqq3.010<4$ なので、$k=3$、つまり桁数は $k+1=4$ 桁です。

検算:実際に $2^{10}$ を計算すると $2^{10}=1024$ となり、確かに4桁の数です。

したがって、$2^{10}$ は $4$桁の整数です。

例題2(標準)

問題

$3^{20}$ の桁数を求めなさい($\log_{10}3=0.4771$ とする)。

解答・解説を見る

$\log_{10}(3^{20})$ を計算します。

$\log_{10}(3^{20}) = 20\times\log_{10}3$

与えられた値を代入します。

$= 20\times0.4771 = 9.542$

この値の整数部分は $9$ です。$9\leqq9.542<10$ なので、$k=9$、つまり桁数は $k+1=10$ 桁です。

したがって、$3^{20}$ は $10$桁の整数です。

例題3(応用)

問題

$6^{15}$ の桁数と、最高位の数字を求めなさい($\log_{10}2=0.3010$、$\log_{10}3=0.4771$ とする)。

解答・解説を見る

$\log_{10}(6^{15})$ を計算する

$6=2\times3$ なので、積の法則 $\log_a(MN)=\log_aM+\log_aN$ を使うと、

$\log_{10}6 = \log_{10}2+\log_{10}3 = 0.3010+0.4771=0.7781$

これを使って、

$\log_{10}(6^{15}) = 15\times\log_{10}6 = 15\times0.7781$

計算します。

$= 11.6715$

桁数を求める

整数部分は $11$ です。$11\leqq11.6715<12$ なので、$k=11$、つまり桁数は $k+1=12$ 桁です。

最高位の数字を求める

小数部分は $f=0.6715$ です。この $f$ の値が、$1$桁の数のどの常用対数の間に入るかを調べます。

$\log_{10}4 = \log_{10}2^2 = 2\times0.3010=0.6020$

$\log_{10}5 = \log_{10}\frac{10}{2} = \log_{10}10-\log_{10}2 = 1-0.3010=0.6990$

($\log_{10}4$ は累乗の法則、$\log_{10}5$ は商の法則を使って、与えられた $\log_{10}2$ から計算しました。)

$f=0.6715$ を、$\log_{10}4=0.6020$ と $\log_{10}5=0.6990$ の間で比較すると、

$0.6020 \leqq 0.6715 < 0.6990$

$\log_{10}4 \leqq f < \log_{10}5$

対数関数の単調増加性より、この不等式は、

$4 \leqq 10^f < 5$

を意味します。$N=10^k\times10^f$ において、$10^f$ が $4$ 以上 $5$ 未満ということは、$N$ を十進法で表したときの最高位の数字は $4$ である、ということになります。

したがって、$6^{15}$ は $12$桁の整数で、最高位の数字は $4$ です。

参考:実際に $6^{15}$ を計算すると、$6^{15}=470184984576$ となり、確かに12桁で、最高位の数字は $4$ です。

練習問題

問題

$2^{100}$ の桁数を求めなさい($\log_{10}2=0.3010$ とする)。

答え

$31$桁

簡単な解説

$\log_{10}(2^{100})=100\times0.3010=30.10$。整数部分は $30$ なので、桁数は $30+1=31$ 桁。