数学II / 微分・積分の考え
接線の方程式
要点整理
接線の方程式の基本形
前のページまでで、微分係数 $f'(a)$ は「曲線 $y=f(x)$ 上の点 $(a, f(a))$ における接線の傾き」を表すことを学びました。この事実を使うと、接線の方程式を作ることができます。
数学Ⅱの「図形と方程式」で学んだ通り、傾きが $m$ で、点 $(x_1,y_1)$ を通る直線の方程式は $y-y_1=m(x-x_1)$ でした。ここで、傾き $m$ を $f'(a)$、通る点 $(x_1,y_1)$ を接点 $(a, f(a))$ に置き換えれば、接線の方程式が得られます。
$y - f(a) = f'(a)(x-a)$
接線を求める手順
- $f'(x)$ を求める(導関数を計算する)。
- 接点の $x$ 座標 $a$ を、$f'(x)$ と $f(x)$ にそれぞれ代入し、傾き $f'(a)$ と接点の $y$ 座標 $f(a)$ を求める。
- 公式 $y-f(a)=f'(a)(x-a)$ に代入し、$y=\ldots$ の形に整理する。
曲線外の点から引いた接線
「曲線上のある点における接線」ではなく、「曲線の上にない、ある点 $\mathrm{P}$ を通るように曲線に接線を引く」という問題もよく出題されます。この場合は、次のように考えます。
- 接点の $x$ 座標を、まだ分からない文字 $t$ とおく(接点は $(t, f(t))$)。
- 接点 $(t,f(t))$ における接線の方程式を、$t$ を使って表す: $y-f(t)=f'(t)(x-t)$
- この接線が点 $\mathrm{P}$ を通るという条件から、$t$ についての方程式を立てて解く。
- 求めた $t$ の値を、2で作った接線の式に戻して、具体的な接線の方程式を完成させる。
外部の点からは、接線が2本(あるいはそれ以上)引けることが多いので、$t$ の方程式の解の個数だけ接線が存在することになります。
例題
例題1(基本)
問題 曲線 $y=x^2$ 上の点 $(1,1)$ における接線の方程式を求めなさい。
解答・解説を見る
$f(x)=x^2$ とおくと、$f'(x)=2x$ です。接点の $x$ 座標は $a=1$ なので、
$f(1) = 1^2 = 1, \qquad f'(1) = 2\times1 = 2$
接線の公式 $y-f(a)=f'(a)(x-a)$ に代入します。
$y-1 = 2(x-1)$
右辺を展開します。
$y-1 = 2x-2$
両辺に $1$ を加えて $y=\ldots$ の形にします。
$y = 2x-2+1 = 2x-1$
答え: $y=2x-1$
例題2(標準)
問題 曲線 $y=x^3-2x$ 上の $x=2$ に対応する点における接線の方程式を求めなさい。
解答・解説を見る
$f(x)=x^3-2x$ とおくと、$f'(x)=3x^2-2$ です。
接点の座標を求める: $x=2$ を $f(x)$ に代入します。
$f(2) = 2^3-2\times2 = 8-4 = 4$
よって接点は $(2,4)$ です。
傾きを求める: $x=2$ を $f'(x)$ に代入します。
$f'(2) = 3\times2^2-2 = 3\times4-2 = 12-2 = 10$
接線の方程式を作る: $y-f(a)=f'(a)(x-a)$ に $a=2$、$f(2)=4$、$f'(2)=10$ を代入します。
$y-4 = 10(x-2)$
右辺を展開します。
$y-4 = 10x-20$
両辺に $4$ を加えます。
$y = 10x-20+4 = 10x-16$
答え: $y=10x-16$
例題3(応用)
問題 点 $(1,-3)$ から曲線 $y=x^2$ に引いた接線の方程式をすべて求めなさい(この点は曲線上にはありません)。
解答・解説を見る
まず、点 $(1,-3)$ が曲線 $y=x^2$ 上にないことを確認します。$x=1$ のとき $y=1^2=1$ であり、$-3$ とは異なるので、確かに曲線上にはありません。よって、接点の $x$ 座標を文字 $t$ とおいて考えます。
接線の式を $t$ で表す: $f(x)=x^2$、$f'(x)=2x$ より、接点 $(t, t^2)$ における接線は、
$y-t^2 = 2t(x-t)$
右辺を展開します。
$y-t^2 = 2tx-2t^2$
両辺に $t^2$ を加えて整理します。
$y = 2tx-2t^2+t^2 = 2tx-t^2$
点 $(1,-3)$ を通る条件を立てる: この直線が点 $(1,-3)$ を通るので、$x=1, y=-3$ を代入します。
$-3 = 2t\times1-t^2$
つまり、
$-3 = 2t-t^2$
$t$ についての方程式を解く: 右辺を左辺に移項して整理します。
$t^2-2t-3 = 0$
左辺を因数分解します。積が $-3$、和が $-2$ になる2数は $-3$ と $1$ なので、
$(t-3)(t+1) = 0$
よって、
$t = 3 \quad \text{または} \quad t = -1$
それぞれの接線を求める: $y=2tx-t^2$ に代入します。
$t=3$ のとき: $y=2\times3\times x-3^2=6x-9$
$t=-1$ のとき: $y=2\times(-1)\times x-(-1)^2=-2x-1$
検算: どちらの直線も $x=1$ のとき $y=-3$ になるか確認します。$6\times1-9=-3$、$-2\times1-1=-3$ となり、どちらも点 $(1,-3)$ を通ることが確かめられます。
答え: $y=6x-9$ または $y=-2x-1$
練習問題
問題 曲線 $y=x^3$ 上の点 $(-1,-1)$ における接線の方程式を求めなさい。
答え
$f(x)=x^3$、$f'(x)=3x^2$ より $f'(-1)=3\times(-1)^2=3$。
$y-(-1) = 3(x-(-1)) \quad\Longrightarrow\quad y+1 = 3(x+1) \quad\Longrightarrow\quad y = 3x+3-1 = 3x+2$