数学B / 数列

階差数列・群数列

要点整理

階差数列とは

数列 $\{a_n\}$ において、隣り合う項の差

$b_n = a_{n+1} - a_n$

を並べてできる新しい数列 $\{b_n\}$ のことを、もとの数列 $\{a_n\}$ の階差数列と呼びます。もとの数列がそのままでは規則が分かりにくいときでも、階差数列 $\{b_n\}$ の方は等差数列や等比数列など、規則の分かりやすい数列になっていることがよくあります。

階差数列から元の数列を求める

階差数列 $\{b_n\}$ が分かっているとき、元の数列 $\{a_n\}$ の一般項を求めることができます。定義から、

$b_1 = a_2 - a_1, \quad b_2 = a_3-a_2, \quad b_3 = a_4-a_3, \quad \ldots, \quad b_{n-1} = a_n - a_{n-1}$

が成り立っています。これらをすべて足し合わせてみましょう。左辺の和は $b_1+b_2+\cdots+b_{n-1}$ です。右辺の和は、

$(a_2-a_1)+(a_3-a_2)+(a_4-a_3)+\cdots+(a_n-a_{n-1})$

となりますが、$-a_2$ と $+a_2$、$-a_3$ と $+a_3$ のように、途中の項がすべて打ち消し合い(このような打ち消し合いを「telescoping(望遠鏡式)」と呼ぶこともあります)、最初の $-a_1$ と最後の $+a_n$ だけが残ります。

$\sum_{k=1}^{n-1} b_k = a_n - a_1$

両辺に $a_1$ を足すと、次の公式が得られます。

$a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k \quad (n \geq 2)$

注意点: この公式は $n\geq 2$ のときに成り立つ式です($n-1$ 個の項の和なので、$n=1$ だと足す項が $0$個になってしまうからです)。$n=1$ のときは、もともとの初項 $a_1$ をそのまま使います。ただし、$n\geq2$ 用に求めた式に $n=1$ を代入してみて、もし $a_1$ と同じ値になるなら、その式は $n=1$ でもそのまま使えます。一致しない場合は、$n=1$ のときだけ別に答えを書く必要があります。

群数列とは

数列を、ある規則にしたがっていくつかのグループに区切ったものを群数列と呼びます。たとえば、

$\underbrace{1}_{\text{第1群}} \ \Big| \ \underbrace{2,3}_{\text{第2群}} \ \Big| \ \underbrace{4,5,6}_{\text{第3群}} \ \Big| \ \underbrace{7,8,9,10}_{\text{第4群}} \ \Big| \ \ldots$

のように、第$n$群にちょうど$n$個の数が入るように区切られた数列です。群数列の問題では、「ある数(または通し番号)が第何群の何番目にあるか」を求めることがよく出題されます。

このような問題を解くコツは、第$n$群の最後までに、全体で何個の項が並んでいるかを先に計算することです。上の例では、第$n$群の最後までに並んでいる項の総数は、各群の個数 $1,2,3,\ldots,n$ を足し合わせたものなので、

$1+2+\cdots+n = \frac{n(n+1)}{2}$

個になります。この「累積個数」を手がかりにして、目的の項がどの群に入るかを絞り込んでいきます。

例題

例題1(基本)

問題

数列 $3, 4, 7, 12, 19, 28, \ldots$ の一般項 $a_n$ を求めなさい。

解答・解説を見る

まず、隣り合う項の差を計算して、階差数列 $\{b_n\}$ を作ります。

$4-3=1, \quad 7-4=3, \quad 12-7=5, \quad 19-12=7, \quad 28-19=9$

階差数列は $1, 3, 5, 7, 9, \ldots$ となり、これは初項 $1$、公差 $2$ の等差数列だと分かります。したがって、

$b_n = 1 + (n-1)\times 2 = 2n-1$

次に、階差数列から元の数列を求める公式 $a_n = a_1 + \displaystyle\sum_{k=1}^{n-1} b_k$ を使います($n\geq2$)。$a_1=3$ を代入します。

$a_n = 3 + \sum_{k=1}^{n-1} (2k-1)$

ここで、$\displaystyle\sum_{k=1}^{n-1}(2k-1)$ は「初項$1$、公差$2$の等差数列の、初項から第$(n-1)$項までの和」です。これは奇数を$(n-1)$個足したものなので、公式 $1+3+5+\cdots+(2m-1)=m^2$($m$個の奇数の和は$m^2$になる)を、$m=n-1$ として使うと、

$\sum_{k=1}^{n-1} (2k-1) = (n-1)^2$

これを代入します。

$a_n = 3 + (n-1)^2$

この式は $n\geq2$ のときに成り立つ式ですが、念のため $n=1$ を代入すると、$a_1 = 3+(1-1)^2 = 3+0=3$ となり、もとの初項 $a_1=3$ と一致します。したがって、この式は $n=1$ を含めてすべての$n$で成り立ちます。

したがって、$a_n = (n-1)^2 + 3$ です。

(確認: $n=4$ のとき $a_4=(4-1)^2+3=9+3=12$ で、もとの数列の第4項と一致します。)

例題2(標準)

問題

数列 $\{a_n\}$ の階差数列が $b_n = n^2$ であり、$a_1=2$ であるとき、一般項 $a_n$($n\geq2$)を求めなさい。また、$a_5$ を求めなさい。

解答・解説を見る

階差数列から元の数列を求める公式 $a_n = a_1 + \displaystyle\sum_{k=1}^{n-1} b_k$ を使います。$a_1=2$、$b_k=k^2$ を代入します($n\geq2$)。

$a_n = 2 + \sum_{k=1}^{n-1} k^2$

$\Sigma$の公式 $\displaystyle\sum_{k=1}^{m} k^2 = \dfrac{m(m+1)(2m+1)}{6}$ を、$m=n-1$ として使います。

$\sum_{k=1}^{n-1} k^2 = \frac{(n-1)n(2n-1)}{6}$

したがって、

$a_n = 2 + \frac{(n-1)n(2n-1)}{6} \quad (n\geq2)$

念のため $n=1$ を代入すると、$\dfrac{(1-1)\times1\times1}{6}=0$ なので $a_1=2+0=2$ となり、実際の初項 $a_1=2$ と一致します。したがって、この式はすべての$n$で成り立ちます。

次に $a_5$ を求めます。$n=5$ を代入します。

$a_5 = 2 + \frac{(5-1)\times5\times(2\times5-1)}{6} = 2 + \frac{4\times5\times9}{6}$

$4\times5\times9=180$ なので、

$a_5 = 2 + \frac{180}{6} = 2+30=32$

(確認: $a_1=2$、$b_1=1^2=1$ より $a_2=3$。$b_2=2^2=4$ より $a_3=7$。$b_3=3^2=9$ より $a_4=16$。$b_4=4^2=16$ より $a_5=32$。たしかに一致します。)

したがって、$a_n = 2+\dfrac{(n-1)n(2n-1)}{6}$、$a_5=32$ です。

例題3(応用)

問題

数を次のようにグループ分けした数列を考えます。

$\underbrace{1}_{\text{第1群}} \ \Big| \ \underbrace{2,3}_{\text{第2群}} \ \Big| \ \underbrace{4,5,6}_{\text{第3群}} \ \Big| \ \underbrace{7,8,9,10}_{\text{第4群}} \ \Big| \ \ldots$

ここで、第$n$群にはちょうど$n$個の数が入っています(並んでいる数自体は $1,2,3,4,\ldots$ という連続する整数です)。

(1) 第10群の最初の数を求めなさい。

(2) $100$ は第何群の何番目の数か求めなさい。

解答・解説を見る

(1)について

第$n$群までに並んでいる数の個数の合計は、各群の個数 $1,2,\ldots,n$ を足したものなので、

$1+2+\cdots+n = \frac{n(n+1)}{2}$

個です。これは「第$n$群の最後の数」でもあります(数は$1$から順番に並んでいるだけなので、個数=その群の最後の数の値になります)。

第10群の最初の数を求めるには、その1つ前の第9群の最後の数を求めて、そこに$1$を足せばよいです。第9群の最後の数は、上の式に $n=9$ を代入して、

$\frac{9\times10}{2} = 45$

したがって、第10群の最初の数は、

$45+1=46$

(確認: 第10群には10個の数が入るので、$46$ から始めて $46,47,\ldots,55$ となり、最後の数は $55$ です。これは $\dfrac{10\times11}{2}=55$ と一致します。)

(2)について

$100$ がどの群に入るかを調べるには、「第$n$群の最後の数が$100$以上になる最小の$n$」を探します。第$n$群の最後の数は $\dfrac{n(n+1)}{2}$ なので、

$\frac{n(n+1)}{2} \geq 100$

を満たす最小の$n$を探します。いくつか試してみましょう。

$n=13: \ \frac{13\times14}{2} = \frac{182}{2}=91$

$n=14: \ \frac{14\times15}{2} = \frac{210}{2}=105$

第13群の最後の数は $91$、第14群の最後の数は $105$ です。$100$ は $91$ より大きく $105$ 以下なので、$100$ は第14群に入っていることが分かります。

次に、第14群の中の何番目かを求めます。第14群は、第13群の最後の数である $91$ の次、つまり $92$ から始まります。$100$ が $92$ から数えて何番目かを求めるには、

$100 - 92 + 1 = 9$

(「何番目か」を求めるときは、差を取ってから $1$ を足すことに注意します。たとえば $92$ 自身は第14群の1番目なので、$92-92+1=1$ となり、正しく計算できていることが確認できます。)

したがって、$100$ は第14群の9番目の数です。

練習問題

問題1

数列 $2, 5, 10, 17, 26, \ldots$ の一般項 $a_n$ を、階差数列を利用して求めなさい。

答え

階差数列は $3,5,7,9,\ldots$(初項3、公差2の等差数列)なので $b_n=2n+1$。

$a_n = 2+\displaystyle\sum_{k=1}^{n-1}(2k+1) = 2+\left\{(n-1)^2+2(n-1)\right\}$ を整理すると $a_n = n^2+1$($n=1$でも成立)。

問題2

数列 $\{a_n\}$ の階差数列が $b_n=3^n$ であり、$a_1=1$ であるとき、一般項 $a_n$($n\geq2$)を求めなさい。

答え

$a_n = 1+\displaystyle\sum_{k=1}^{n-1}3^k = 1+\dfrac{3(3^{n-1}-1)}{3-1} = 1+\dfrac{3^n-3}{2} = \dfrac{3^n-1}{2}$

問題3

例題3と同じ群数列について、第20群に含まれる数をすべて求めなさい。

答え

第19群の最後の数は $\dfrac{19\times20}{2}=190$。第20群は $191$ から始まり $20$個並ぶので、$191$ から $210$ までです。