数学B / 数列

よくある間違い

間違い1: 等差数列の一般項で公差をかける回数を間違える

よくある誤答例

初項が $3$、公差が $4$ である等差数列の第5項を求めるとき、$a_5 = 3+5\times4=23$ と計算してしまう。

なぜ間違いなのか

等差数列の一般項の公式は $a_n=a_1+(n-1)d$ であり、公差 $d$ を足す回数は「$n$回」ではなく「$(n-1)$回」です。初項 $a_1$ の時点ではまだ公差を1回も足していない状態なので、第$n$項にたどり着くまでに公差を足す回数は $(n-1)$回になります。

正しい考え方

$a_5 = 3+(5-1)\times4 = 3+16=19$ が正しい答えです。不安なときは、$a_1=3$($0$回足す)、$a_2=7$($1$回足す)、$a_3=11$($2$回足す)……のように番号と「足した回数」を書き出して確認すると、第$n$項では $(n-1)$回であることが実感できます。

間違い2: 公比が1の等比数列に和の公式をそのまま使ってしまう

よくある誤答例

公比 $r=1$ の等比数列(すべての項が同じ数になる数列)で、初項 $3$、項数 $5$ の和を求めるときに、公式 $S_n=\dfrac{a_1(r^n-1)}{r-1}$ に $r=1$ を代入してしまい、分母が $0$ になることに気づかず計算を進めてしまう。

なぜ間違いなのか

公式 $S_n=\dfrac{a_1(r^n-1)}{r-1}$ は、$r\neq1$ のときにしか使えない式です。$r=1$ を代入すると分母が $0$ になり、そもそも割り算が成立しません($0$で割ることはできません)。

正しい考え方

$r=1$ のときは、同じ数 $a_1$ が $n$個並んでいるだけなので、単純に $S_n=n\,a_1$ を使います。上の例では $S_5=5\times3=15$ です。等比数列の和の問題を見たら、まず「公比は$1$ではないか」を確認する習慣をつけましょう。

間違い3: Σの定数の和で個数(n)を掛け忘れる

よくある誤答例

$\displaystyle\sum_{k=1}^{5} 3$ を計算するときに、「足しているのは定数の$3$だから」と思い込み、答えを $3$ としてしまう。

なぜ間違いなのか

$\displaystyle\sum_{k=1}^{n} c$ は、定数 $c$ を$n$個分足し合わせるという意味です。定数だからといって$1$個分の値をそのまま答えにしてしまうと、何個分足したかという情報が抜け落ちてしまいます。

正しい考え方

$\displaystyle\sum_{k=1}^{5}3 = 3\times5=15$ が正しい答えです。$\Sigma$の計算をするときは、必ず「下から上まで何個の項があるか」を数える習慣をつけましょう。

間違い4: 階差数列の公式でΣの上端をnにしてしまう

よくある誤答例

階差数列を使って一般項 $a_n$ を求めるときに、公式を $a_n=a_1+\displaystyle\sum_{k=1}^{n}b_k$ のように、上端を$n$のままにして計算してしまう。

なぜ間違いなのか

$a_n$ を求めるために必要な階差の個数は、$a_1$ から $a_n$ までの「隙間」の数、つまり $(n-1)$個です。上端を$n$にしてしまうと、本来足す必要のない $b_n$ まで余分に足してしまい、答えがずれてしまいます。

正しい考え方

正しい公式は $a_n=a_1+\displaystyle\sum_{k=1}^{n-1}b_k$ です。$b_1$から$b_{n-1}$までの$(n-1)$個の差を足すことで、ちょうど $a_1$ から $a_n$ まで到達できます。

間違い5: 階差数列の公式を使った後、n=1の確認を忘れる

よくある誤答例

階差数列の公式($n\geq2$のときに成り立つ式)で求めた式を、確認をせずにそのまま「すべての$n$で成り立つ一般項」として答えにしてしまう。

なぜ間違いなのか

公式 $a_n=a_1+\displaystyle\sum_{k=1}^{n-1}b_k$ は、そもそも$(n-1)$個の項の和という前提で作られているため、$n=1$のときはΣの中身が$0$個になるという特殊なケースです。多くの場合は代入すると初項と一致しますが、必ず一致するとは限らないため、確認を省略すると思わぬ失点につながります。

正しい考え方

求めた式に $n=1$ を代入し、もとの初項 $a_1$ と一致するかどうかを必ず確認しましょう。一致すればその式はすべての$n$で使えます。もし一致しない場合は、「$n=1$のときは $a_1=\bigcirc$、$n\geq2$のときは(求めた式)」のように場合分けして答えます。

間違い6: 特性方程式を解くときに移項の符号を間違える

よくある誤答例

$a_{n+1}=2a_n+3$ の特性方程式 $\alpha=2\alpha+3$ を解くときに、$\alpha+2\alpha=3$ のように、右辺の $2\alpha$ を符号を変えずに左辺へ移動させてしまい、$3\alpha=3$、$\alpha=1$ という誤った答えを出してしまう。

なぜ間違いなのか

方程式で項を移項するときは、その項の符号を反転させる必要があります。$\alpha=2\alpha+3$ の右辺にある $2\alpha$ を左辺に移すときは、$-2\alpha$ として移動させなければならないのに、符号を変えずに $+2\alpha$ のまま移動させてしまっています。

正しい考え方

$\alpha=2\alpha+3$ の両辺から $2\alpha$ を引くと、$\alpha-2\alpha=3$、つまり $-\alpha=3$ となり、$\alpha=-3$ が正しい答えです。移項するときは、必ず符号が反転することを確認しましょう。

間違い7: 数学的帰納法で「帰納法の仮定」を使わずに証明してしまう

よくある誤答例

$n=k$のとき成り立つと仮定したはずなのに、$n=k+1$のときの証明の中で、その仮定の式を一度も使わずに、別の方法で計算だけして答えを出してしまう。

なぜ間違いなのか

数学的帰納法の証明の核心は、「$n=k$で成り立つという仮定を使って、$n=k+1$のときを示す」という論理のつながりにあります。仮定をまったく使わずに $n=k+1$のときの式を確かめても、それは帰納法の証明の構造になっておらず、論理的に不十分な答案になってしまいます。

正しい考え方

$n=k+1$のときの式を計算していく途中で、必ず「帰納法の仮定」($n=k$のときに成り立つとした式)を代入する場面を作りましょう。答案の中で、どこで仮定を使ったのかが自分でもはっきり分かるように書くと、証明の流れを見失わずに済みます。

間違い8: 群数列で「何番目か」を求めるときに+1を忘れる

よくある誤答例

ある群数列で、$100$ が第14群($92$から始まる群)の中にあることが分かった後、その群の中で何番目かを求めるのに、$100-92=8$ を答えにしてしまう。

なぜ間違いなのか

「何番目か」を求めるとき、単純に差を取るだけでは$1$つずれてしまいます。たとえば、群の最初の数である$92$自身は、その群の「1番目」であるはずですが、$92-92=0$ となってしまい、「1番目」という結果と合いません。

正しい考え方

正しくは、$(\text{求めたい数}) - (\text{群の最初の数}) + 1$ という計算をします。上の例では $100-92+1=9$ となり、$100$ は第14群の9番目です。差を取ったら必ず$1$を足す、と覚えておきましょう。