数学B / 統計的な推測

章末問題

章末問題

問題1

赤玉が2個、白玉が3個入った袋から、同時に2個の玉を取り出します。取り出した赤玉の個数を $X$ とするとき、$X$ の確率分布を求め、期待値 $E(X)$ を求めなさい。

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袋の中には玉が全部で $2+3=5$ 個あるので、この中から2個を取り出す方法の総数は、

${}_5C_2 = \frac{5\times4}{2\times1} = 10 \ (\text{通り})$

$X=0$(赤玉0個、つまり2個とも白玉)となる場合の数は、白玉3個から2個を選ぶので ${}_3C_2=3$ 通り。

$P(X=0) = \frac{3}{10}$

$X=1$(赤玉1個、白玉1個)となる場合の数は、赤玉2個から1個、白玉3個から1個を選ぶので ${}_2C_1\times{}_3C_1=2\times3=6$ 通り。

$P(X=1) = \frac{6}{10} = \frac{3}{5}$

$X=2$(赤玉2個、つまり2個とも赤玉)となる場合の数は、赤玉2個から2個を選ぶので ${}_2C_2=1$ 通り。

$P(X=2) = \frac{1}{10}$

確率の合計は $\dfrac{3}{10}+\dfrac{6}{10}+\dfrac{1}{10}=\dfrac{10}{10}=1$ で正しく$1$になっています。期待値の公式 $E(X)=\displaystyle\sum x_iP(X=x_i)$ に代入します。

$E(X) = 0\times\frac{3}{10}+1\times\frac{6}{10}+2\times\frac{1}{10} = 0+\frac{6}{10}+\frac{2}{10} = \frac{8}{10} = 0.8$

したがって、$E(X)=0.8$ です。

問題2

さいころを300回投げるとき、偶数の目が出る回数を $X$ とします。$E(X)$、$V(X)$、$\sigma(X)$ を求めなさい。

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1回のさいころ投げで偶数の目($2,4,6$)が出る確率は $p=\dfrac{3}{6}=\dfrac{1}{2}$ です。$X$ は $n=300$、$p=\dfrac{1}{2}$ の二項分布 $B\left(300,\dfrac{1}{2}\right)$ に従います。

期待値の公式 $E(X)=np$ に代入します。

$E(X) = 300\times\frac{1}{2} = 150$

分散の公式 $V(X)=np(1-p)$ に代入します。$1-p=\dfrac{1}{2}$ です。

$V(X) = 300\times\frac{1}{2}\times\frac{1}{2} = 75$

標準偏差は分散の正の平方根です。$75=25\times3$ なので、

$\sigma(X) = \sqrt{75} = \sqrt{25\times3} = 5\sqrt{3}$

したがって、$E(X)=150$、$V(X)=75$、$\sigma(X)=5\sqrt{3}$($\approx8.66$)です。

問題3

確率変数 $X$ が正規分布 $N(70,64)$ に従うとき、$P(62\leq X\leq86)$ を求めなさい。

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$N(70,64)$ より、平均 $m=70$、標準偏差 $\sigma=\sqrt{64}=8$ です。

$X=62$、$X=86$ をそれぞれ標準化します。

$X=62 \ \text{のとき}: \ z=\frac{62-70}{8}=\frac{-8}{8}=-1$

$X=86 \ \text{のとき}: \ z=\frac{86-70}{8}=\frac{16}{8}=2$

したがって、求める確率は $P(-1\leq Z\leq2)$ です。標準正規分布の対称性から $P(-1\leq Z\leq0)=P(0\leq Z\leq1)$ なので、

$P(-1\leq Z\leq2) = P(0\leq Z\leq1)+P(0\leq Z\leq2) = 0.3413+0.4772 = 0.8185$

したがって、$P(62\leq X\leq86)=0.8185$ です。

問題4

母平均 $80$、母標準偏差 $18$ の母集団から、大きさ $81$ の標本を取り出します。中心極限定理を用いて、標本平均 $\overline{X}$ が $77$ 以上 $83$ 以下となる確率を求めなさい。

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標本平均の標準偏差の公式 $\sigma(\overline{X})=\dfrac{\sigma}{\sqrt{n}}$ に $\sigma=18$、$n=81$ を代入します。$\sqrt{81}=9$ なので、

$\sigma(\overline{X}) = \frac{18}{9} = 2$

中心極限定理により $\overline{X}$ は近似的に正規分布 $N(80, 2^2)$ に従います。$\overline{X}=77$、$\overline{X}=83$ をそれぞれ標準化します。

$\overline{X}=77 \ \text{のとき}: \ z=\frac{77-80}{2}=-1.5$

$\overline{X}=83 \ \text{のとき}: \ z=\frac{83-80}{2}=1.5$

したがって、求める確率は $P(-1.5\leq Z\leq1.5)$ です。標準正規分布は左右対称なので、

$P(-1.5\leq Z\leq1.5) = 2\times P(0\leq Z\leq1.5) = 2\times0.4332 = 0.8664$

したがって、$\overline{X}$ が $77$ 以上 $83$ 以下となる確率はおよそ $0.8664$ です。

問題5

母標準偏差が $25$ である母集団から、大きさ $100$ の標本を無作為に抽出したところ、標本平均が $200$ でした。母平均を、信頼度95%で区間推定しなさい。

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信頼度95%の信頼区間の公式 $\overline{X}-1.96\dfrac{\sigma}{\sqrt{n}} \leq m \leq \overline{X}+1.96\dfrac{\sigma}{\sqrt{n}}$ を使います。$\dfrac{\sigma}{\sqrt{n}}=\dfrac{25}{\sqrt{100}}=\dfrac{25}{10}=2.5$ です。

$1.96\times2.5 = 4.9$

したがって、

$200-4.9 \ \leq \ m \ \leq \ 200+4.9$

$195.1 \ \leq \ m \ \leq \ 204.9$

したがって、母平均 $m$ の信頼度95%の信頼区間は $195.1\leq m\leq204.9$ です。

問題6

あるアンケートで400人に賛否を尋ねたところ、228人が賛成と答えました。賛成の割合は、半数($0.5$)とは異なると言えるか、有意水準5%で両側検定しなさい。

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仮説: $H_0: p=0.5$、$H_1: p\neq0.5$(両側検定)。

標本比率は $R=\dfrac{228}{400}=0.57$、$n=400$、$p_0=0.5$ です。検定統計量の分母を計算します。

$\sqrt{\frac{p_0(1-p_0)}{n}} = \sqrt{\frac{0.5\times0.5}{400}} = \sqrt{\frac{0.25}{400}} = \sqrt{0.000625} = 0.025$

これを使って $Z$ を計算します。

$Z = \frac{0.57-0.5}{0.025} = \frac{0.07}{0.025} = 2.8$

両側検定・有意水準5%の基準値は $1.96$ です。$|Z|=2.8$ は $1.96$ より大きいので、棄却域に入ります。したがって、帰無仮説を棄却し、賛成の割合は半数とは異なると言えます。

問題7

確率変数 $X$ が正規分布 $N(60,100)$ に従うとき、$Y=2X-20$ とします。$P(Y\geq140)$ を求めなさい。

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$X\sim N(60,100)$ なので、平均 $m=60$、分散 $\sigma^2=100$ です。$Y=2X-20$ は1次変換なので、$Y$の平均は、

$2\times60+(-20) = 120-20=100$

$Y$の分散は、

$2^2\times100 = 400$

したがって $Y\sim N(100,400)$ であり、標準偏差は $\sqrt{400}=20$ です。$Y=140$ を標準化します。

$z = \frac{140-100}{20} = 2$

したがって、求める確率は $P(Z\geq2)$ です。

$P(Z\geq2) = 0.5-P(0\leq Z\leq2) = 0.5-0.4772 = 0.0228$

したがって、$P(Y\geq140)=0.0228$ です。

問題8

ある工場の1日あたりの生産個数の母標準偏差は $50$ 個であることが分かっています。標本平均の標準偏差を $10$ 以下にするために必要な標本の大きさ $n$ の最小値を求めなさい。また、その大きさの標本を取ったところ標本平均が $480$ 個であったとき、母平均を信頼度95%で区間推定しなさい。

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標本の大きさを求める

標本平均の標準偏差の公式 $\sigma(\overline{X})=\dfrac{\sigma}{\sqrt{n}}$ に $\sigma=50$ を代入し、これが $10$ 以下になる条件を作ります。

$\frac{50}{\sqrt{n}} \leq 10$

両辺に $\sqrt{n}$ をかけます。

$50 \leq 10\sqrt{n}$

両辺を $10$ で割ります。

$5 \leq \sqrt{n}$

両辺を2乗します。

$25 \leq n$

したがって、標本の大きさの最小値は $n=25$ です。

信頼区間を求める

$n=25$、$\sigma=50$ のとき、

$\frac{\sigma}{\sqrt{n}} = \frac{50}{\sqrt{25}} = \frac{50}{5} = 10$

信頼度95%の信頼区間の公式に、$\overline{X}=480$ を代入します。

$1.96\times10 = 19.6$

$480-19.6 \ \leq \ m \ \leq \ 480+19.6$

$460.4 \ \leq \ m \ \leq \ 499.6$

したがって、標本の大きさの最小値は $25$、母平均の信頼度95%の信頼区間は $460.4\leq m\leq499.6$ です。