数学II / 図形と方程式
頻出解法パターン
「図形と方程式」は、点・直線・円といった図形を式で表す単元です。図形の種類は限られていますが、問われ方はいろいろなパターンがあります。ここでは、問題文を見たときに「あ、この型だ」と気づけるように、代表的な解法パターンを7つにまとめました。
パターン1: 内分点・外分点は公式に $m,n$ を正しく当てはめる
こんな問題で使う
「線分$\mathrm{AB}$を$m:n$に内分(外分)する点の座標を求めよ」という問題全般で使います。三角形の重心を求める問題も、中線を$2:1$に内分する点として、この考え方の応用で解けます。
解法の手順
- 比 $\mathrm{AP}:\mathrm{PB}=m:n$ の、$\mathrm{A}$側の値を$m$、$\mathrm{B}$側の値を$n$として整理する。
- 内分点の公式 $\left(\dfrac{nx_1+mx_2}{m+n},\ \dfrac{ny_1+my_2}{m+n}\right)$、外分点の公式 $\left(\dfrac{-nx_1+mx_2}{m-n},\ \dfrac{-ny_1+my_2}{m-n}\right)$ に、符号を間違えずに代入する。
- $m=n$のときは外分点が存在しないことに注意する。
具体例
問題:2点 $\mathrm{A}(1,4)$、$\mathrm{B}(6,-1)$ を結ぶ線分$\mathrm{AB}$を$2:3$に内分する点$\mathrm{P}$の座標を求めよ。
解答: $m=2$, $n=3$ として、内分点の公式に代入します。
$x=\frac{3\times1+2\times6}{2+3}=\frac{3+12}{5}=\frac{15}{5}=3$
$y=\frac{3\times4+2\times(-1)}{2+3}=\frac{12-2}{5}=\frac{10}{5}=2$
したがって、$\mathrm{P}(3,2)$ です。
パターン2: 直線の方程式は「1点+傾き」または「2点」から作る
こんな問題で使う
「点$(x_1,y_1)$を通り、傾き$m$の直線の方程式を求めよ」「2点を通る直線の方程式を求めよ」という問題で使います。他の単元(平行・垂直条件や、円の接線など)の計算の中でも、直線の方程式を作る場面がひんぱんに出てきます。
解法の手順
- 傾きが分かっているときは、公式 $y-y_1=m(x-x_1)$ にそのまま代入する。
- 2点しか分かっていないときは、まず傾き $m=\dfrac{y_2-y_1}{x_2-x_1}$ を計算してから、上の公式に代入する。
- 一般形 $ax+by+c=0$ で答える必要があるときは、最後に式を移項して整える。
具体例
問題:2点 $(1,3)$、$(4,9)$ を通る直線の方程式を、一般形で求めよ。
解答: 傾きを求めます。
$m=\frac{9-3}{4-1}=\frac{6}{3}=2$
点$(1,3)$を通り傾き$2$の直線として公式に代入します。
$y-3=2(x-1)$
右辺を展開します。
$y-3=2x-2$
両辺に$3$を足します。
$y=2x+1$
移項して一般形に直します。
$2x-y+1=0$
パターン3: 平行・垂直条件は傾きか、一般形の係数を使う
こんな問題で使う
「2直線が平行(垂直)になるように、定数の値を求めよ」という問題で使います。直線が一般形で与えられているときは、わざわざ傾きに直さなくても、係数だけで判定できます。
解法の手順
- 傾きが分かる形($y=mx+b$)なら、平行条件 $m_1=m_2$、垂直条件 $m_1m_2=-1$ を使う。
- 一般形($ax+by+c=0$)のままなら、平行条件 $a_1b_2-a_2b_1=0$、垂直条件 $a_1a_2+b_1b_2=0$ を使う。
- $x$軸・$y$軸に平行な直線(傾きが定義できない直線)が混ざっているときは、傾きではなく一般形の条件を使うと安全である。
具体例
問題:2直線 $ax+2y-1=0$、$3x-y+4=0$ が垂直であるとき、定数$a$の値を求めよ。
解答: 一般形の垂直条件 $a_1a_2+b_1b_2=0$ を使います。1つ目の直線の係数は $a_1=a$, $b_1=2$、2つ目の直線の係数は $a_2=3$, $b_2=-1$ です。
$a\times3+2\times(-1)=0$
$3a-2=0$
$a=\frac23$
パターン4: 点と直線の距離の公式は「接する円」「距離の条件」の問題で使う
こんな問題で使う
「点と直線の距離を求めよ」という直接的な問題だけでなく、「円が直線に接する条件から半径や中心を求める」「2直線のなす角の二等分線を求める(距離が等しい点の軌跡として)」といった問題にも応用されます。
解法の手順
- 直線を一般形 $ax+by+c=0$ にそろえる($y=mx+b$ の形のままでは公式が使えない)。
- 公式 $d=\dfrac{|ax_1+by_1+c|}{\sqrt{a^2+b^2}}$ に、点の座標を代入する。
- 「接する」という条件が出てきたら、「距離 $d$ = 半径 $r$」という等式を作って、そこから未知の数を求める。
具体例
問題:円 $x^2+y^2=8$ と直線 $y=x+k$ が接するとき、定数$k$の値を求めよ。
解答: 円の中心は原点$(0,0)$、半径は $r=\sqrt8=2\sqrt2$ です。直線を一般形に直すと $x-y+k=0$ です。中心から直線までの距離が半径に等しいという条件を作ります。
$\frac{|1\times0+(-1)\times0+k|}{\sqrt{1^2+(-1)^2}}=2\sqrt2$
$\frac{|k|}{\sqrt2}=2\sqrt2$
両辺に$\sqrt2$をかけます。
$|k|=2\sqrt2\times\sqrt2=4$
したがって、$k=4$ または $k=-4$ です。
パターン5: 円の方程式は「中心・半径」か「一般形→平方完成」で求める
こんな問題で使う
「中心と半径(または通る点)から円の方程式を求めよ」「一般形で表された式が、どんな円を表すか調べよ」という問題で使います。
解法の手順
- 中心 $(a,b)$、半径 $r$ が分かっている(または求められる)なら、標準形 $(x-a)^2+(y-b)^2=r^2$ に直接代入する。
- 一般形 $x^2+y^2+lx+my+n=0$ が与えられているときは、$x$の項・$y$の項をそれぞれ平方完成して、標準形に直してから中心・半径を読み取る。
- $(x-a)^2$ の形を見るときは、符号の反転($x+3$ なら $a=-3$)に注意する。
具体例
問題:方程式 $x^2+y^2+6x-2y+6=0$ が表す図形の中心の座標と半径を求めよ。
解答: $x$の項、$y$の項をそれぞれ平方完成します。
$x^2+6x=(x+3)^2-9$
$y^2-2y=(y-1)^2-1$
元の式に代入します。
$(x+3)^2-9+(y-1)^2-1+6=0$
定数をまとめます($-9-1+6=-4$)。
$(x+3)^2+(y-1)^2-4=0$
$(x+3)^2+(y-1)^2=4$
したがって、中心は $(-3,1)$、半径は $2$($4=2^2$)です。
パターン6: 円と直線の位置関係は「判別式」か「中心との距離」で判定する
こんな問題で使う
「円と直線が2点で交わる(接する、共有点をもたない)ための条件を求めよ」「共有点の座標を求めよ」という問題で使います。
解法の手順
- 共有点の座標まで必要なときは、直線の式を円の式に代入して2次方程式を作り、実際に解く(判別式も同時に分かる)。
- 座標は不要で、位置関係の判定や、条件を満たす定数の範囲だけが知りたいときは、中心と直線の距離 $d$ を求め、半径 $r$ と比較する方が計算が速いことが多い。
- 判定基準:$D>0$(または$d
r$)なら共有点なし。
具体例
問題:円 $x^2+y^2=5$ と直線 $y=2x+1$ の位置関係を調べよ。
解答: 直線の式を円の式に代入します。
$x^2+(2x+1)^2=5$
展開して整理すると、
$5x^2+4x-4=0$
判別式を計算します。$a=5$, $b=4$, $c=-4$ なので、
$D=4^2-4\times5\times(-4)=16+80=96$
$D=96>0$ なので、円と直線は異なる2点で交わります。
パターン7: 軌跡は「動く点を文字でおいて、条件を式にする」
こんな問題で使う
「ある条件を満たす点$\mathrm{P}$の軌跡を求めよ」という問題全般で使います。距離の条件がそのまま出てくる基本的なものから、別の動く点に連動して動く点を求める応用まで、考え方の骨格は共通しています。
解法の手順
- 求めたい軌跡上の点を $\mathrm{P}(x,y)$(または、連動して動く問題では $\mathrm{Q}(s,t)$ など別の文字)とおく。
- 問題文の条件を、その文字を使った方程式で表す。長さの条件は、2乗してから整理すると根号が消えて計算しやすい。
- できた式を、見慣れた図形の方程式(直線や円の標準形)の形に整理する。
- 動く点に範囲の制限があるときは、その制限が最終的な軌跡にどう影響するかを必ず確認する。
具体例
問題:2点 $\mathrm{A}(1,2)$、$\mathrm{B}(5,4)$ から等しい距離にある点$\mathrm{P}$の軌跡を求めよ。
解答: $\mathrm{P}(x,y)$とおき、条件 $\mathrm{PA}=\mathrm{PB}$ の両辺を2乗します。
$(x-1)^2+(y-2)^2=(x-5)^2+(y-4)^2$
両辺を展開して整理すると、
$-2x-4y+5=-10x-8y+41$
$8x+4y-36=0$
両辺を4でわります。
$2x+y-9=0$
したがって、点$\mathrm{P}$の軌跡は直線 $2x+y-9=0$(線分$\mathrm{AB}$の垂直二等分線)です。