数学II / 図形と方程式

2点間の距離・内分点と外分点

要点整理

数学Iの「図形と計量」で鋭角の三角比を学んだとき、直角三角形の3辺の関係を何度も使いましたね。ここでは、座標平面の中にうまく直角三角形を作り、三平方の定理(直角三角形で、直角をはさむ2辺の長さを$a$, $b$、斜辺の長さを$c$とすると $a^2+b^2=c^2$ が成り立つという定理)を使って「2点間の距離」を求める方法から出発します。

2点間の距離の公式

座標平面上に2点 $A(x_1, y_1)$, $B(x_2, y_2)$ があるとします。$A(x_1,y_1)$ という書き方は、「点$A$の$x$座標が$x_1$、$y$座標が$y_1$である」という意味です。

点$A$を通り$x$軸に平行な直線と、点$B$を通り$y$軸に平行な直線をひくと、この2直線は1点で交わります。この交点を$C$とすると、$C$は点$A$と同じ$y$座標、点$B$と同じ$x$座標を持つので、$C$の座標は $(x_2, y_1)$ になります。

こうしてできる三角形$ABC$は、頂点$C$のところで直角に交わる直角三角形です。2辺の長さは次のように求められます。

  • 辺$AC$:点$A(x_1,y_1)$と点$C(x_2,y_1)$は$y$座標が同じなので、$x$座標の差の絶対値がそのまま長さになります。つまり $AC = |x_2 - x_1|$ です。
  • 辺$BC$:同じように考えて $BC = |y_2 - y_1|$ です。

三平方の定理より、

$AB^2 = AC^2 + BC^2 = |x_2-x_1|^2 + |y_2-y_1|^2$

ここで、絶対値をとった数を2乗すると、絶対値をとる前の数を2乗したものと必ず一致します(例えば $|-3|^2 = 3^2 = 9$ であり、$(-3)^2$ も$9$です)。ですから $|x_2-x_1|^2 = (x_2-x_1)^2$ と書き直せて、

$AB^2 = (x_2-x_1)^2 + (y_2-y_1)^2$

$AB$は長さなので $AB \geqq 0$ です。両辺の平方根をとると、次の公式が得られます。

$AB = \sqrt{(x_2-x_1)^2+(y_2-y_1)^2}$

特に、原点$O(0,0)$と点$A(x_1,y_1)$の距離は、$x_2=0$, $y_2=0$ を代入して

$OA = \sqrt{x_1^2+y_1^2}$

となります。

具体例で確認しましょう。 $A(1,2)$, $B(4,6)$ の距離を求めると、

$AB = \sqrt{(4-1)^2+(6-2)^2} = \sqrt{3^2+4^2} = \sqrt{9+16} = \sqrt{25} = 5$

数直線上の内分点・外分点

次に、1本の線分を指定した比で分ける点の座標を求める方法を学びます。まず座標平面より単純な「数直線」(1本の直線上に実数を対応させたもの)で考え方を確認してから、座標平面へ応用します。

内分点 数直線上に2点 $A(a)$, $B(b)$ があるとします(点$A$に対応する実数が$a$、点$B$に対応する実数が$b$という意味です)。線分$AB$上に点$P$をとり、$AP:PB = m:n$ となるようにします($m, n$は正の実数)。このとき点$P$を、線分$AB$を$m:n$に内分する点(内分点)といいます。「内分」の「内」は、点が線分の内側にあることを表しています。

点$P$に対応する実数を$p$とすると($a

$\frac{p-a}{b-p} = \frac{m}{n}$

分母を払うために、両辺に $n(b-p)$ をかけます。

$n(p-a) = m(b-p)$

左辺・右辺をそれぞれ展開します。

$np - na = mb - mp$

$p$を含む項を左辺に、含まない項を右辺に移項します。

$np + mp = mb + na$

左辺の$p$をくくり出します。

$p(m+n) = na + mb$

両辺を$m+n$で割ると、

$p = \frac{na+mb}{m+n}$

これが、数直線上で線分$AB$を$m:n$に内分する点の座標です。

外分点 点$Q$が線分$AB$の延長線上、つまり線分の外側にあって、$AQ:QB = m:n$($m \neq n$)となっているとき、点$Q$を線分$AB$を$m:n$に外分する点(外分点)といいます。$m=n$のときは、条件を満たす点が線分から無限に遠ざかってしまうため、外分点は存在しません。

$m>n$のとき、点$Q$は点$B$を越えた先(数直線上で$b$より大きい側)にできます。$Q$に対応する実数を$q$とすると $q>b>a$ なので、

$AQ = q-a, \qquad QB = q-b$

(どちらも正の数になっていることを確かめてください。)$AQ:QB = m:n$ を分数の形にすると、

$\frac{q-a}{q-b} = \frac{m}{n}$

両辺に $n(q-b)$ をかけて分母を払います。

$n(q-a) = m(q-b)$

展開すると、

$nq - na = mq - mb$

$q$を含む項を左辺に集めます。

$nq - mq = na - mb$

左辺を$q$でくくります。

$q(n-m) = na-mb$

両辺を$-1$倍して、左辺の係数を$m-n$の形にそろえます。

$q(m-n) = mb - na$

両辺を$m-n$で割ると、

$q = \frac{mb-na}{m-n} = \frac{-na+mb}{m-n}$

($m

まとめると、線分$AB$を$m:n$に外分する点の座標は

$q = \frac{-na+mb}{m-n}$

です。内分点の公式の$n$を$-n$に置き換えると外分点の公式になっていることに気づいたでしょうか。この対応を覚えておくと、公式を思い出しやすくなります。

座標平面上の内分点・外分点

座標平面上の点は、$x$座標と$y$座標という2つの数の組で表されます。線分$AB$を$m:n$に分ける点の$x$座標は、点$A, B$の$x$座標だけを使って、数直線のときと同じ計算をすれば求まります(点$A,B,P$をそれぞれ$x$軸へまっすぐ下ろした(または上げた)位置を考えると、内分・外分の比はそのまま保たれるからです)。$y$座標についても同じことがいえます。

したがって、2点 $A(x_1,y_1)$, $B(x_2,y_2)$ を結ぶ線分$AB$を$m:n$に内分する点の座標は

$\left(\frac{nx_1+mx_2}{m+n},\ \frac{ny_1+my_2}{m+n}\right)$

線分$AB$を$m:n$に外分する点の座標は($m \neq n$のとき)

$\left(\frac{-nx_1+mx_2}{m-n},\ \frac{-ny_1+my_2}{m-n}\right)$

特に $m=n=1$ のとき、つまり$1:1$に内分するときは、線分$AB$のちょうど真ん中の点、中点になります。

$\left(\frac{x_1+x_2}{2},\ \frac{y_1+y_2}{2}\right)$

例題

例題1(基本)

問題

2点 $A(-2, 3)$, $B(4, -5)$ の間の距離を求めなさい。

解答・解説を見る

2点間の距離の公式 $AB = \sqrt{(x_2-x_1)^2+(y_2-y_1)^2}$ を使います。$A(x_1,y_1)=(-2,3)$, $B(x_2,y_2)=(4,-5)$ です。

まず、$x$座標の差を計算します。

$x_2 - x_1 = 4-(-2) = 6$

次に、$y$座標の差を計算します。

$y_2 - y_1 = -5-3 = -8$

これらを公式に代入します。

$AB = \sqrt{6^2+(-8)^2}$

それぞれを2乗します。

$AB = \sqrt{36+64}$

足し算をします。

$AB = \sqrt{100}$

平方根を計算します。

$AB = 10$

よって、$AB = 10$ です。

例題2(標準)

問題

2点 $A(1,2)$, $B(7,-4)$ を結ぶ線分$AB$を$3:1$に内分する点$P$と、$3:1$に外分する点$Q$の座標をそれぞれ求めなさい。

解答・解説を見る

「線分$AB$を$3:1$に内分(外分)する」とは、$A$から見て $AP:PB = 3:1$(内分点)、$AQ:QB = 3:1$(外分点)という意味です。ここでは $m=3$, $n=1$、$A(x_1,y_1)=(1,2)$, $B(x_2,y_2)=(7,-4)$ とします。

内分点$P$の座標

内分点の公式 $\left(\dfrac{nx_1+mx_2}{m+n}, \dfrac{ny_1+my_2}{m+n}\right)$ に代入します。

$x$座標は、

$\frac{n x_1+m x_2}{m+n} = \frac{1\times1+3\times7}{3+1}$

分子を計算します。$1\times1=1$、$3\times7=21$ なので、分子は $1+21=22$ です。分母は $3+1=4$ です。

$\frac{22}{4} = \frac{11}{2}$

$y$座標は、

$\frac{n y_1+m y_2}{m+n} = \frac{1\times2+3\times(-4)}{3+1}$

分子を計算します。$1\times2=2$、$3\times(-4)=-12$ なので、分子は $2+(-12)=-10$ です。分母は$4$です。

$\frac{-10}{4} = -\frac{5}{2}$

よって、$P\left(\dfrac{11}{2}, -\dfrac{5}{2}\right)$ です。

外分点$Q$の座標

外分点の公式 $\left(\dfrac{-nx_1+mx_2}{m-n}, \dfrac{-ny_1+my_2}{m-n}\right)$ に代入します($m=3 \neq n=1$ なので外分点は存在します)。

$x$座標は、

$\frac{-n x_1+m x_2}{m-n} = \frac{-1\times1+3\times7}{3-1}$

分子を計算します。$-1\times1=-1$、$3\times7=21$ なので、分子は $-1+21=20$ です。分母は $3-1=2$ です。

$\frac{20}{2} = 10$

$y$座標は、

$\frac{-n y_1+m y_2}{m-n} = \frac{-1\times2+3\times(-4)}{3-1}$

分子を計算します。$-1\times2=-2$、$3\times(-4)=-12$ なので、分子は $-2+(-12)=-14$ です。分母は$2$です。

$\frac{-14}{2} = -7$

よって、$Q(10, -7)$ です。

例題3(応用)

問題

三角形$ABC$の頂点が $A(1,5)$, $B(-3,-1)$, $C(8,2)$ であるとき、辺$BC$の中点を$M$として、中線$AM$を$2:1$に内分する点$G$の座標を求めなさい。また、この結果と「三角形の重心の座標は3頂点の座標の平均になる」という関係を比べてみましょう。

解答・解説を見る

手順1:辺$BC$の中点$M$を求める

中点は、$1:1$に内分する点なので、公式 $\left(\dfrac{x_1+x_2}{2}, \dfrac{y_1+y_2}{2}\right)$ に $B(-3,-1)$, $C(8,2)$ を代入します。

$x$座標は $\dfrac{-3+8}{2} = \dfrac{5}{2}$、$y$座標は $\dfrac{-1+2}{2} = \dfrac{1}{2}$ です。

よって、$M\left(\dfrac{5}{2}, \dfrac{1}{2}\right)$ です。

手順2:中線$AM$を$2:1$に内分する点$G$を求める

「$AM$を$2:1$に内分する」とは $AG:GM = 2:1$ ということなので、$m=2$, $n=1$ とし、1つ目の点を$A(1,5)$、2つ目の点を$M\left(\dfrac{5}{2},\dfrac{1}{2}\right)$として内分点の公式に代入します。

$x$座標は、

$\frac{n\times1+m\times\frac{5}{2}}{m+n} = \frac{1\times1+2\times\frac{5}{2}}{2+1}$

分子を計算します。$1\times1=1$、$2\times\dfrac{5}{2}=5$ なので、分子は $1+5=6$ です。分母は$3$です。

$\frac{6}{3} = 2$

$y$座標は、

$\frac{n\times5+m\times\frac{1}{2}}{m+n} = \frac{1\times5+2\times\frac{1}{2}}{2+1}$

分子を計算します。$1\times5=5$、$2\times\dfrac{1}{2}=1$ なので、分子は $5+1=6$ です。分母は$3$です。

$\frac{6}{3} = 2$

よって、$G(2, 2)$ です。

確認:3頂点の座標の平均と比べる

$3$頂点の$x$座標の平均は $\dfrac{1+(-3)+8}{3} = \dfrac{6}{3} = 2$、$y$座標の平均は $\dfrac{5+(-1)+2}{3} = \dfrac{6}{3} = 2$ となり、確かに$G(2,2)$と一致します。

このように、三角形の重心(3本の中線が交わる点)は、中線を頂点側から$2:1$に内分する点として求めることができ、それは3頂点の座標の平均 $\left(\dfrac{x_1+x_2+x_3}{3}, \dfrac{y_1+y_2+y_3}{3}\right)$ にも一致します。

練習問題

問題

2点 $A(2,-3)$, $B(-4,5)$ について、次の問いに答えなさい。

(1) 線分$AB$の長さを求めなさい。 (2) 線分$AB$を$1:3$に内分する点$P$の座標を求めなさい。 (3) 線分$AB$を$1:3$に外分する点$Q$の座標を求めなさい。

答え

(1) $AB = \sqrt{(-4-2)^2+(5-(-3))^2} = \sqrt{(-6)^2+8^2} = \sqrt{36+64} = \sqrt{100} = 10$

(2) $m=1$, $n=3$ として内分点の公式に代入すると、$x$座標は $\dfrac{3\times2+1\times(-4)}{1+3}=\dfrac{2}{4}=\dfrac{1}{2}$、$y$座標は $\dfrac{3\times(-3)+1\times5}{1+3}=\dfrac{-4}{4}=-1$ となるので、$P\left(\dfrac{1}{2}, -1\right)$

(3) $m=1$, $n=3$ として外分点の公式に代入すると、$x$座標は $\dfrac{-3\times2+1\times(-4)}{1-3}=\dfrac{-10}{-2}=5$、$y$座標は $\dfrac{-3\times(-3)+1\times5}{1-3}=\dfrac{14}{-2}=-7$ となるので、$Q(5, -7)$