数学II / 指数関数・対数関数

対数関数のグラフと性質

要点整理

前のページで、対数 $\log_a M$ の定義と、積・商・累乗の法則を学びました。このページでは、対数を使った関数、対数関数 $y=\log_a x$($a$ は $1$ ではない正の定数)のグラフと性質を学びます。

対数関数の定義域と値域

対数関数 $y=\log_ax$ を考えるとき、$x$ は真数にあたるので、$x>0$ でなければいけません(対数の定義で、真数は正の数でなければならないのでした)。したがって、対数関数の定義域(xがとりうる値の範囲)は $x>0$ です。

一方、$y=\log_ax$ の $y$ の値は、指数 $a^y=x$ における指数 $y$ にあたる部分です。指数は整数・分数・実数のどんな値でもとれるので、対数関数の値域(yがとりうる値の範囲)は実数全体になります。指数関数 $y=a^x$ が「定義域は実数全体、値域は $y>0$」だったのに対して、対数関数はちょうど逆(定義域が $x>0$、値域が実数全体)になっていることに注目してください。これは、指数関数と対数関数が、$x$ と $y$ の役割を入れ替えた「互いに逆の関係」にあることの表れです。

対数関数のグラフの形

対数関数 $y=\log_ax$ のグラフの形も、指数関数と同じように、底 $a$ が $1$ より大きいか、$0

(1) $a>1$ のとき(増加する形)

たとえば $y=\log_2x$ のグラフを考えます。$x$ にいろいろな値を代入すると、

$x=\frac12:\ y=\log_2\frac12=-1, \quad x=1:\ y=\log_21=0, \quad x=2:\ y=\log_22=1, \quad x=4:\ y=\log_24=2$

$x$ の値が大きくなるにつれて、$y$ の値もどんどん大きくなっています。$a>1$ のとき、対数関数 $y=\log_ax$ は単調増加です。

(2) $0

たとえば $y=\log_{1/2}x$ のグラフを考えます。同じように代入すると、

$x=\frac12:\ y=\log_{1/2}\frac12=1, \quad x=1:\ y=\log_{1/2}1=0, \quad x=2:\ y=\log_{1/2}2=-1, \quad x=4:\ y=\log_{1/2}4=-2$

今度は $x$ が大きくなるにつれて $y$ が小さくなっています。$0

共通する性質

  • 定義域は $x>0$、値域は実数全体である。
  • グラフは必ず点 $(1,0)$ を通る($\log_a1=0$ はどんな $a$ でも成り立つため)。
  • $x$ が $0$ に近づく($0$ より少しだけ大きい値をとる)につれて、$y$ の絶対値はどんどん大きくなっていく。このため、直線 $x=0$($y$軸)がこのグラフの漸近線になる。

なお、指数関数 $y=a^x$ と対数関数 $y=\log_ax$ は、$x$ と $y$ を入れ替えると互いにもう一方の式になる関係(互いに逆関数と呼ばれる関係)にあり、2つのグラフは直線 $y=x$ に関して線対称になります。この事実は覚えておくと図形的なイメージがつかみやすくなりますが、計算問題を解くうえで直接使うのは、ここまでに整理した「単調増加・単調減少」の性質です。

大小比較への応用

対数関数の単調性を使うと、対数を含む数どうしの大小を比較できます。

$a>1$ のとき:単調増加なので、真数が大きいほど対数の値も大きくなります。

$0

$0:単調減少なので、真数が大きいほど対数の値は逆に小さくなります。

$0\log_ax_2$

底が異なる対数どうしを比較したいときは、前のページで学んだ底の変換公式を使って、まず底をそろえてから比較します。

例題

例題1(基本)

問題

$\log_3 2$ と $\log_3 5$ の大小を比較しなさい。

解答・解説を見る

底は $3$ で、$3>1$ なので、対数関数 $y=\log_3x$ は単調増加です。単調増加のときは、真数が大きいほど対数の値も大きくなります。

真数を比べると $2<5$ なので、

$\log_32 < \log_35$

したがって、$\log_32 < \log_35$ です。

例題2(標準)

問題

$\log_{1/2} 3$ と $\log_{1/2} 5$ の大小を比較しなさい。

解答・解説を見る

底は $\dfrac12$ で、$0<\dfrac12<1$ なので、対数関数 $y=\log_{1/2}x$ は単調減少です。単調減少のときは、真数が大きいほど対数の値は小さくなります。

真数を比べると $3<5$ なので、単調減少の性質より、

$\log_{1/2}3 > \log_{1/2}5$

したがって、$\log_{1/2}3 > \log_{1/2}5$ です。底が $1$ より小さいときは、指数関数のときと同じように、大小関係が反転することを忘れないようにしましょう。

例題3(応用)

問題

$\log_2 3$ と $\log_4 9$ の大小を比較しなさい。

解答・解説を見る

底がそろっていない($2$ と $4$)ので、まず底をそろえます。$\log_49$ を、底の変換公式を使って、底 $2$ の対数に直します。

$\log_49 = \frac{\log_29}{\log_24}$

分母を計算します。$2^2=4$ なので $\log_24=2$ です。

分子について、$9=3^2$ なので、累乗の法則 $\log_aM^k=k\log_aM$ を使うと、

$\log_29 = \log_23^2 = 2\log_23$

これらを代入します。

$\log_49 = \frac{2\log_23}{2} = \log_23$

したがって、$\log_49=\log_23$ となり、2つの数は等しいことが分かりました。

$\log_23 = \log_49$

このように、底と真数がどちらも同じ数(ここでは $2$)の累乗になっているときは、計算してみると値が一致することがあります。大小を聞かれたときも、まずは実際に計算して確かめる姿勢が大切です。

練習問題

問題

$\log_2 5$ と $\log_4 20$ の大小を比較しなさい。

答え

$\log_25 > \log_420$

簡単な解説

底の変換公式より $\log_420=\dfrac{\log_220}{\log_24}=\dfrac{\log_2(4\times5)}{2}=\dfrac{2+\log_25}{2}=1+\dfrac{\log_25}{2}$。

$\log_25$ と $1+\dfrac{\log_25}{2}$ の差をとると、$\log_25-1-\dfrac{\log_25}{2}=\dfrac{\log_25}{2}-1=\dfrac{\log_25-2}{2}$。$5>4=2^2$ より $\log_25>\log_24=2$ なので、この差は正の数になります。したがって $\log_25>\log_420$。