数学B / 数列
頻出解法パターン
パターン1: 差や比から一般項を推測する
こんな問題で使う
数列の最初の数項だけが与えられていて、「一般項を求めなさい」と言われる問題。
解法の手順
- 隣り合う項の差を調べる。差がすべて一定なら、その数列は等差数列である。
- 差が一定でなければ、隣り合う項の比を調べる。比がすべて一定なら、その数列は等比数列である。
- 差も比も一定でなければ、差の変化のしかたに注目する(差自体が等差数列になっていないか=階差数列の考え方)か、$n^2$や$n^3$に近い形になっていないか予想する。
- 予想した式に $n=1,2,3,\ldots$ を代入して、もとの数列と本当に一致するか検証する。
具体例
数列 $2,5,10,17,26,\ldots$ について、差を調べると $3,5,7,9$ で一定ではないが $2$ずつ増えている。そこで $n^2$ に近い形と予想し、各項から $n^2$ を引くとすべて $1$ 余ることが分かるので、$a_n=n^2+1$ と求められる。
パターン2: 2つの項の情報から初項と公差(公比)を求める
こんな問題で使う
「第◯項が△、第□項が☆である」というように、数列の中の2つの項の値だけが与えられ、初項と公差(または公比)を求める問題。
解法の手順
- 初項を $a_1$、公差を $d$(等比数列なら公比を $r$)とおく。
- 一般項の公式を使って、与えられた2つの項をそれぞれ $a_1$ と $d$(または$r$)の式で表す。
- 2つの式を連立方程式として扱う。等差数列なら2式を引き算して $a_1$ を消去し、等比数列なら2式を割り算して $a_1$ を消去する。
- 求めた $d$(または$r$)を、どちらか一方の式に代入して $a_1$ を求める。
具体例
第3項が $11$、第7項が $23$ である等差数列では、$a_1+2d=11$ と $a_1+6d=23$ を作り、引き算すると $4d=12$ より $d=3$、代入して $a_1=5$ が求まる。
パターン3: 等差数列の和が最大(最小)になる項数を求める
こんな問題で使う
公差が負(または正)の等差数列について、「和 $S_n$ が最大(最小)になるのは第何項までのときか」を求める問題。
解法の手順
- 一般項 $a_n$ を求める。
- 公差が負の場合は、$a_n \geq 0$ となる$n$の範囲を不等式で求める(公差が正の場合は $a_n\leq0$ の範囲を求める)。
- その範囲に入る最大の整数$n$までの和が、和の最大値(最小値)になる。加える項が正の間は和が増え続け、負に転じたところから和が減り始めるという考え方にもとづく。
具体例
初項 $50$、公差 $-4$ の等差数列で $a_n=54-4n$。$a_n\geq0$ を解くと $n\leq13.5$ なので、$n=13$ のときに和が最大になる。
パターン4: Σの中身を展開して公式に当てはめる
こんな問題で使う
$\displaystyle\sum_{k=1}^{n}(k\text{の式})$ の形をした和を計算する問題。
解法の手順
- $\Sigma$ の中身を展開して、$k^3$、$k^2$、$k$、定数の項に分ける。
- $\Sigma$ の性質(和は分けられる、定数倍は前に出せる)を使って、それぞれの和に分解する。
- 公式 $\displaystyle\sum k=\dfrac{n(n+1)}{2}$、$\displaystyle\sum k^2=\dfrac{n(n+1)(2n+1)}{6}$、$\displaystyle\sum k^3=\left\{\dfrac{n(n+1)}{2}\right\}^2$、$\displaystyle\sum c=nc$ をそれぞれ代入する。
- 共通因数(多くの場合 $n$ や $n(n+1)$)でくくって式を整理する。
- 小さい$n$($n=1$や$n=2$)を代入して、もとの和と一致するか検算する。
具体例
$\displaystyle\sum_{k=1}^{n}(2k-1)^2$ を展開すると $4k^2-4k+1$ となり、公式を代入して整理すると $\dfrac{n(2n-1)(2n+1)}{3}$ が得られる。
パターン5: 階差数列を利用して一般項を求める
こんな問題で使う
数列の一般項が直接は見えにくいが、隣り合う項の差に規則があるとき(差自体が等差数列や等比数列になっているとき)。
解法の手順
- 階差数列 $b_n=a_{n+1}-a_n$ を求める。
- $b_n$ の一般項を求める($b_n$自体が等差数列や等比数列であることが多い)。
- 公式 $a_n=a_1+\displaystyle\sum_{k=1}^{n-1}b_k$($n\geq2$)を使って、$a_n$ を求める。
- 求めた式に $n=1$ を代入し、もとの初項と一致するか必ず確認する。
具体例
数列 $3,4,7,12,19,\ldots$ の階差数列は $1,3,5,7,\ldots$($b_n=2n-1$)。これを使うと $a_n=(n-1)^2+3$ が求まる。
パターン6: 特性方程式で $a_{n+1}=pa_n+q$ 型の漸化式を解く
こんな問題で使う
漸化式が $a_{n+1}=pa_n+q$($p\neq1$)の形で与えられ、一般項を求める問題。
解法の手順
- $a_{n+1}$ と $a_n$ を両方とも $\alpha$ に置き換えた特性方程式 $\alpha=p\alpha+q$ を立てて解く。
- もとの漸化式から特性方程式を辺々引き算し、$a_{n+1}-\alpha=p(a_n-\alpha)$ の形に変形する。
- 数列 $\{a_n-\alpha\}$ が公比 $p$ の等比数列であることを使って、$a_n-\alpha=(a_1-\alpha)p^{\,n-1}$ を求める。
- 両辺に $\alpha$ を足して、$a_n$ の式に戻す。
具体例
$a_1=1$、$a_{n+1}=2a_n+3$ では、特性方程式から $\alpha=-3$。$a_n+3=4\times2^{\,n-1}$ より $a_n=2^{\,n+1}-3$ が求まる。
パターン7: 数学的帰納法の答案の型を守る
こんな問題で使う
「すべての自然数$n$について、○○が成り立つことを証明せよ」というタイプの問題全般。
解法の手順
- スタートとなる$n$(多くは$n=1$)で、示したい式・命題が成り立つことを確かめる。
- 「$n=k$のとき成り立つと仮定する」と明記し、その仮定の式を具体的に書く。
- その仮定を使って(必ずどこかで代入して)、$n=k+1$のときの式・命題を導く。
- ステップ1とステップ2が両方示せたことをまとめ、「数学的帰納法により、すべての自然数$n$について成り立つ」と結論を書く。
具体例
$1+2+\cdots+n=\dfrac{n(n+1)}{2}$ の証明では、$n=k$での仮定式に $(k+1)$ を足して整理すると、$n=k+1$の式とちょうど一致することを示す。
パターン8: 連立漸化式は和と差で分離する
こんな問題で使う
2つの数列 $\{a_n\}$、$\{b_n\}$ が、互いの値を使って定義される連立漸化式の問題。
解法の手順
- 2つの漸化式を辺々足し算して、$p_n=a_n+b_n$ についての新しい漸化式を作る。
- 2つの漸化式を辺々引き算して、$q_n=a_n-b_n$ についての新しい漸化式を作る。
- $p_n$、$q_n$ がそれぞれ等比数列(または定数数列)になっていれば、それぞれの一般項を求める。
- $a_n=\dfrac{p_n+q_n}{2}$、$b_n=\dfrac{p_n-q_n}{2}$ として、もとの数列の一般項に戻す。
具体例
$a_{n+1}=a_n+2b_n$、$b_{n+1}=2a_n+b_n$ では、足すと $p_n=a_n+b_n$ が公比$3$の等比数列に、引くと $q_n=a_n-b_n$ が公比$-1$の等比数列になる。