数学B / 数列
等差数列
要点整理
前の単元で、数列には「一般項」という、$n$番目の項を$n$の式で表したものがあることを学びました。この単元では、その中でも特に規則が分かりやすい「等差数列」について学びます。
等差数列と公差
数列 $\{a_n\}$ において、隣り合う項の差が常に一定であるとき、この数列を等差数列と呼びます。この一定の差のことを公差(こうさ)と呼び、記号 $d$ で表すのが普通です。公差は、次の項から前の項を引くことで求められます。
$d = a_{n+1} - a_n$
たとえば、数列 $3, 7, 11, 15, 19, \ldots$ を見てみましょう。隣り合う項の差を計算すると、
$7-3 = 4, \quad 11-7=4, \quad 15-11=4, \quad 19-15=4$
となり、差がすべて $4$ で一定です。したがって、この数列は公差 $d=4$ の等差数列です。
等差数列の一般項
等差数列は、初項に公差を何回か足していくことで各項が作られています。初項を $a_1$、公差を $d$ とすると、
- 第1項: $a_1$
- 第2項: $a_1 + d$($d$を1回足す)
- 第3項: $a_1 + 2d$($d$を2回足す)
- 第4項: $a_1 + 3d$($d$を3回足す)
というように、第$n$項では $d$ を $(n-1)$ 回足すことになります。したがって、等差数列の一般項は次の公式で表されます。
$a_n = a_1 + (n-1)d$
先ほどの数列 $3, 7, 11, 15, 19, \ldots$(初項 $a_1=3$、公差 $d=4$)で確認してみると、
$a_n = 3 + (n-1) \times 4 = 3 + 4n - 4 = 4n - 1$
$n=1$ を代入すると $a_1 = 4 \times 1 - 1 = 3$ となり、初項と一致します。$n=5$ を代入すると $a_5 = 4 \times 5 - 1 = 19$ となり、第5項とも一致しています。
等差中項
3つの数 $a, b, c$ がこの順番で等差数列になっているとき、真ん中の数 $b$ のことを等差中項と呼びます。等差数列では隣り合う項の差が等しいので、
$b - a = c - b$
という関係が成り立ちます。この式の両辺に $b$ を足すと、
$2b - a = c$
さらに両辺に $a$ を足すと、
$2b = a + c$
という関係式が得られます。つまり、「真ん中の数の2倍は、両端の数の和に等しい」ということです。この関係式は、等差数列の一部分が分からないときに、その値を求めるのに便利です。
例題
例題1(基本)
問題
初項が $3$、公差が $4$ である等差数列 $\{a_n\}$ の一般項を求め、第10項 $a_{10}$ を求めなさい。
解答・解説を見る
等差数列の一般項の公式 $a_n = a_1 + (n-1)d$ に、$a_1 = 3$、$d = 4$ を代入します。
$a_n = 3 + (n-1) \times 4$
かっこを展開します。
$a_n = 3 + 4n - 4$
同類項をまとめます。
$a_n = 4n - 1$
これが一般項です。第10項を求めるには、$n=10$ を代入します。
$a_{10} = 4 \times 10 - 1 = 40 - 1 = 39$
したがって、一般項は $a_n = 4n-1$、第10項は $a_{10} = 39$ です。
例題2(標準)
問題
第3項が $11$、第7項が $23$ である等差数列 $\{a_n\}$ の初項と公差を求めなさい。
解答・解説を見る
初項を $a_1$、公差を $d$ とおきます。一般項の公式 $a_n = a_1 + (n-1)d$ を使うと、第3項と第7項はそれぞれ次のように表せます。
第3項($n=3$ を代入):
$a_3 = a_1 + 2d = 11 \quad \cdots ①$
第7項($n=7$ を代入):
$a_7 = a_1 + 6d = 23 \quad \cdots ②$
①と②は、$a_1$ と $d$ という2つの未知数を含む連立方程式です。②から①を引いて、$a_1$ を消去します。
$(a_1 + 6d) - (a_1 + 2d) = 23 - 11$
左辺を整理します。
$a_1 + 6d - a_1 - 2d = 12$
$4d = 12$
両辺を $4$ で割ります。
$d = 3$
$d=3$ を①に代入します。
$a_1 + 2 \times 3 = 11$
$a_1 + 6 = 11$
$a_1 = 5$
したがって、初項は $a_1 = 5$、公差は $d = 3$ です。
念のため確認すると、$a_3 = 5 + 2 \times 3 = 11$、$a_7 = 5 + 6 \times 3 = 23$ となり、どちらも問題文と一致します。
例題3(応用)
問題
等差数列 $\{a_n\}$ の一般項が $a_n = 100 - 3n$ で与えられているとき、この数列の項が初めて負の数になるのは第何項か求めなさい。
解答・解説を見る
「初めて負の数になる」ということは、$a_n < 0$ となる最小の$n$を求めればよいということです。一般項の式を不等式に代入します。
$100 - 3n < 0$
両辺から $100$ を引きます。
$-3n < -100$
両辺を $-3$ で割ります。負の数で割るときは不等号の向きが逆になることに注意します。
$n > \frac{100}{3}$
$\dfrac{100}{3}$ を計算すると、$33.33\ldots$ となります。$n$は正の整数(項の番号)なので、この不等式を満たす最小の整数は $n=34$ です。
念のため、$n=33$ と $n=34$ で実際の値を確認してみましょう。
$a_{33} = 100 - 3 \times 33 = 100 - 99 = 1$
$a_{34} = 100 - 3 \times 34 = 100 - 102 = -2$
たしかに、第33項までは正の数($a_{33}=1$)で、第34項で初めて負の数($a_{34}=-2$)になっています。
したがって、初めて負の数になるのは第34項です。
練習問題
問題1
初項が $-5$、公差が $3$ である等差数列の一般項を求め、第8項を求めなさい。
答え
$a_n = -5 + (n-1)\times 3 = 3n - 8$
$a_8 = 3 \times 8 - 8 = 16$
問題2
第2項が $7$、第5項が $16$ である等差数列の初項と公差を求めなさい。
答え
$a_1 + d = 7$、$a_1 + 4d = 16$ を連立させると、引き算により $3d = 9$ で $d=3$、$a_1 = 4$。
問題3
$5, \ x, \ 17$ がこの順で等差数列をなすとき、$x$ の値を求めなさい。
答え
等差中項の関係 $2x = 5 + 17$ より、$2x = 22$ なので $x = 11$。