数学II / 微分・積分の考え

不定積分

要点整理

微分の逆操作としての積分

これまでは、$f(x)$ が与えられたときに、それを微分して $f'(x)$ を求める計算をしてきました。ここからは、逆に「微分すると $f(x)$ になるような関数 $F(x)$」を探す操作を学びます。これを積分といいます。

$F'(x)=f(x)$ が成り立つとき、$F(x)$ を $f(x)$ の原始関数と呼びます。例えば、$(x^2)'=2x$ なので、$x^2$ は $2x$ の原始関数の1つです。

ここで注意したいのは、原始関数は1つに定まらないということです。例えば $x^2+1$ を微分しても $x^2+5$ を微分しても、定数項は消えるのでどちらも $2x$ になります。つまり、$2x$ の原始関数は $x^2+C$($C$ はどんな定数でもよい)の形で無数に存在します。この $C$ を積分定数と呼びます。

$f(x)$ のすべての原始関数をまとめて表したものを $f(x)$ の不定積分といい、

$\int f(x)\,dx = F(x)+C$

という記号で表します(ただし $F'(x)=f(x)$)。$\displaystyle\int \ \cdots\, dx$ は「$x$ について積分する」という意味の記号で、$dx$ はどの文字について積分しているかを示す目印です。

べき乗の不定積分の公式

微分の公式 $(x^{n+1})'=(n+1)x^n$ を逆向きに考えると、$x^n$ を積分すると $\dfrac{x^{n+1}}{n+1}$ になりそうだと分かります。実際に確認すると、$\left(\dfrac{x^{n+1}}{n+1}\right)'=\dfrac{n+1}{n+1}x^n=x^n$ となり、確かに微分すると $x^n$ に戻ります。よって、次の公式が成り立ちます($n$ は $0$ 以上の整数)。

$\int x^n\,dx = \frac{1}{n+1}x^{n+1}+C$

指数に $1$ を足して、その数で割る、というイメージです(微分の「指数をかけて $1$ 引く」とちょうど逆の操作になっています)。また、定数 $k$ を積分すると、

$\int k\,dx = kx+C$

です($k=kx^0$ と考えて上の公式を当てはめると $kx^1/1=kx$ になることからも確認できます)。

積分の線形性

微分と同じように、積分にも次の性質(線形性)があります。

$\int kf(x)\,dx = k\int f(x)\,dx \quad (k\text{は定数})$

$\int \{f(x)\pm g(x)\}\,dx = \int f(x)\,dx \pm \int g(x)\,dx$

これにより、多項式の不定積分は、各項ごとにべき乗の公式を当てはめて計算し、最後に積分定数 $C$ を1つだけ付け加えればよいことになります。

例題

例題1(基本)

問題 $\displaystyle\int(4x^3-6x^2+2)\,dx$ を求めなさい。

解答・解説を見る

各項ごとにべき乗の公式 $\displaystyle\int x^n\,dx=\dfrac{x^{n+1}}{n+1}+C$ を当てはめます。

$4x^3$ の積分: $\displaystyle\int x^3\,dx=\dfrac{x^4}{4}$ なので、係数 $4$ を掛けて $4\times\dfrac{x^4}{4}=x^4$

$-6x^2$ の積分: $\displaystyle\int x^2\,dx=\dfrac{x^3}{3}$ なので、係数 $-6$ を掛けて $-6\times\dfrac{x^3}{3}=-2x^3$

$2$ の積分: $\displaystyle\int 2\,dx=2x$

これらを足し合わせ、最後に積分定数 $C$ を1つ付けます。

$\int(4x^3-6x^2+2)\,dx = x^4-2x^3+2x+C$

例題2(標準)

問題 $f'(x)=3x^2-4x+1$ で、$f(0)=5$ であるとき、$f(x)$ を求めなさい。

解答・解説を見る

不定積分を計算する: $f(x)$ は $f'(x)$ の原始関数の1つなので、$f'(x)$ を積分します。

$f(x) = \int(3x^2-4x+1)\,dx$

各項を積分します。

  • $3x^2$: $\displaystyle 3\times\frac{x^3}{3}=x^3$
  • $-4x$: $\displaystyle -4\times\frac{x^2}{2}=-2x^2$
  • $1$: $x$

よって、

$f(x) = x^3-2x^2+x+C$

条件 $f(0)=5$ を使って $C$ を決定する: $x=0$ を代入します。

$f(0) = 0^3-2\times0^2+0+C = C$

$f(0)=5$ なので、$C=5$。

答え: $f(x)=x^3-2x^2+x+5$

例題3(応用)

問題 $\displaystyle\int(x-2)(x+3)\,dx$ を求めなさい。

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このままでは公式が直接使えないので、まず展開して多項式の形に直します。

$(x-2)(x+3) = x^2+3x-2x-6 = x^2+x-6$

これを積分します。

$\int(x^2+x-6)\,dx$

各項を積分します。

  • $x^2$: $\dfrac{x^3}{3}$
  • $x$: $\dfrac{x^2}{2}$
  • $-6$: $-6x$

これらを足し合わせ、積分定数を付けます。

$\int(x-2)(x+3)\,dx = \frac{x^3}{3}+\frac{x^2}{2}-6x+C$

練習問題

問題 $f'(x)=6x^2+2x-3$ で $f(1)=4$ であるとき、$f(x)$ を求めなさい。

答え

$f(x)=\displaystyle\int(6x^2+2x-3)\,dx = 2x^3+x^2-3x+C$

$f(1)=2+1-3+C=0+C$。$f(1)=4$ より $C=4$。

$f(x)=2x^3+x^2-3x+4$