数学I / 二次関数
関数とグラフの基本
要点整理
関数とは何か
まず、「関数」という言葉の意味をはっきりさせておきましょう。
たとえば、1本150円のジュースを $x$ 本買うときの代金を $y$ 円とすると、$y=150x$ という式で表せます。ここで $x$ に具体的な数を1つ入れれば、対応する $y$ の値がそれぞれただ1つに決まります($x=2$ なら $y=300$ の1通りだけで、$y=300$ でもあり $y=250$ でもある、ということは起こりません)。
このように、「$x$ の値を1つ決めるごとに、それに対応して $y$ の値がただ1つに決まる」とき、「$y$ は $x$ の関数である」といいます。これは高校数学全体で使う、とても大切な考え方です。
注意してほしいのは、「$x$ が違う値でも $y$ が同じ値になる」ことは構わないという点です。たとえば $y=x^2$ では $x=2$ でも $x=-2$ でも $y=4$ になりますが、これは1つの $x$ に対して $y$ がただ1つ決まっているので、やはり関数です。ダメなのは、1つの $x$ に対して $y$ の値が2つ以上決まってしまう場合だけです。
$f(x)$ という書き方
関数を表すとき、$y=150x$ のようにそのまま書く方法のほかに、「$f(x)$」という記号を使う書き方があります。
$f$ は「関数(function)」の頭文字からとった記号で、「$x$ を入れると、あるきまった計算をして $y$ の値を出す装置」に $f$ という名前をつけたものだと考えてください。$f(x)$ は「関数 $f$ に $x$ を入れたときの出力」という意味で、$y=f(x)$ と書けば「$y$ はこの関数 $f$ によって $x$ から決まる」ということを表します。
たとえば $f(x)=2x+1$ という関数があったとき、$f(3)$ は「$f(x)$ の式の $x$ に $3$ を代入した値」を意味します。
$f(3)=2\times 3+1=7$
このように、$f(\text{数字や文字})$ と書かれていたら、「$f(x)$ の式の中の $x$ を、そのかっこの中身に置きかえて計算する」というのが基本のルールです。この後の例題1で、この計算を繰り返し練習します。
定義域と値域
関数 $y=f(x)$ について、$x$ としてとることが許されている値の範囲を「定義域(ていぎいき)」といいます。特に断りがなければ、定義域は「$x$ に代入して意味のある実数すべて」と考えます。
一方、定義域の中の $x$ に対応して、$y$ がとる値の範囲を「値域(ちいき)」といいます。値域は、グラフを縦(上下)方向に見たときの広がりだと考えると分かりやすいです。
座標平面とグラフの読み方
関数の様子を目で見て理解するために使うのが「グラフ」です。グラフは、横方向に $x$ の値を表すx軸、縦方向に $y$ の値を表すy軸をとった平面(座標平面)の上に、$(x,y)$ の組を点として次々に打っていき、それらをつないでできる図形です。
たとえば $y=2x-1$ のグラフをかくには、いくつかの $x$ の値に対応する $y$ の値を計算し、表にまとめます。
| $x$ | $-1$ | $0$ | $1$ | $2$ |
|---|---|---|---|---|
| $y$ | $-3$ | $-1$ | $1$ | $3$ |
この表の $(x,y)$ の組、たとえば $(-1,-3)$ や $(0,-1)$ を座標平面上に点として打ち、それらを直線で結ぶと $y=2x-1$ のグラフ(直線)が得られます。$x$ が $1$ 増えるごとに $y$ が $2$ ずつ増えていく、右上がりの直線になります。
グラフを見れば、「$x$ がある値のときに $y$ がいくつになるか」だけでなく、「$x$ が増えると $y$ は増えるのか減るのか」や、値域(グラフが縦方向にどこまで広がっているか)も読み取ることができます。$x$ の増加とともに $y$ が増えるとき「増加する」、$y$ が減るとき「減少する」といいます。
2つのグラフの共有点
2つの関数 $y=f(x)$ と $y=g(x)$ のグラフが同じ座標平面上にかかれているとき、両方のグラフが重なって交わる点を「共有点」または「交点」といいます。
共有点の座標 $(x,y)$ は、$y=f(x)$ と $y=g(x)$ のどちらも同時に成り立たせる $x,y$ の組です。つまり、$f(x)=g(x)$ という方程式を解いて $x$ を求め、それをどちらかの式に代入して $y$ を求めれば、共有点の座標が分かります。これは例題3で実際に使います。
これから2次関数 $y=ax^2+bx+c$ のグラフについて詳しく学んでいきますが、その前にまず「関数」「$f(x)$」「定義域・値域」「グラフの読み方」という、すべての関数に共通する土台をしっかり固めておきましょう。
例題
例題1(基本)
問題
$f(x)=2x^2-x+3$ とする。次の値を求めなさい。
(1) $f(0)$ (2) $f(-1)$ (3) $f(2)$
解答・解説を見る
$f(x)=2x^2-x+3$ の $x$ に、それぞれ与えられた数を代入して計算します。
(1) $f(0)$
$x=0$ を代入します。
$f(0)=2\times 0^2-0+3$
$0^2=0$ なので、
$f(0)=2\times 0-0+3=0-0+3=3$
(2) $f(-1)$
$x=-1$ を代入します。マイナスの数を代入するときは、必ず $(\ )$ をつけて代入するのがミスを防ぐコツです。
$f(-1)=2\times(-1)^2-(-1)+3$
まず $(-1)^2$ を計算します。$(-1)^2=(-1)\times(-1)=1$ です。
$f(-1)=2\times 1-(-1)+3$
$-(-1)$ は $+1$ になるので、
$f(-1)=2+1+3$
$f(-1)=6$
(3) $f(2)$
$x=2$ を代入します。
$f(2)=2\times 2^2-2+3$
$2^2=4$ なので、
$f(2)=2\times 4-2+3$
$f(2)=8-2+3$
$f(2)=9$
以上より、$f(0)=3$、$f(-1)=6$、$f(2)=9$ です。
例題2(標準)
問題
関数 $y=-x^2+4$ について、定義域を実数全体として、次の問いに答えなさい。
(1) $x=-2,-1,0,1,2$ のときの $y$ の値をそれぞれ求め、表にまとめなさい。 (2) このグラフの概形(だいたいの形)を、頂点の位置と対称性に注目して説明しなさい。 (3) このグラフの値域を求めなさい。
解答・解説を見る
(1) 表の作成
$y=-x^2+4$ の $x$ に、それぞれの値を代入します。
$x=-2$ のとき、
$y=-(-2)^2+4=-4+4=0$
$x=-1$ のとき、
$y=-(-1)^2+4=-1+4=3$
$x=0$ のとき、
$y=-(0)^2+4=0+4=4$
$x=1$ のとき、
$y=-(1)^2+4=-1+4=3$
$x=2$ のとき、
$y=-(2)^2+4=-4+4=0$
まとめると、次の表になります。
| $x$ | $-2$ | $-1$ | $0$ | $1$ | $2$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $y$ | $0$ | $3$ | $4$ | $3$ | $0$ |
(2) グラフの概形
表を見ると、$x=0$ のときに $y=4$ という最も大きい値をとり、そこから $x$ が離れるほど($x$ がプラス方向にもマイナス方向にも大きくなるほど)$y$ の値が小さくなっていくことが分かります。また、$x=-1$ と $x=1$ で $y$ が同じ値($3$)、$x=-2$ と $x=2$ で $y$ が同じ値($0$)になっており、$y$ 軸を軸として左右対称になっていることも読み取れます。
これらのことから、このグラフは点 $(0,4)$ を頂点(いちばん高い点)とし、$y$ 軸に関して左右対称な、上に凸(とつ)の(山のような形の)放物線であることが分かります。
(3) 値域
表と(2)の考察から、$y$ は $x=0$ のときの $4$ が最大値で、$x$ の絶対値が大きくなるほど $y$ はどこまでも小さくなっていきます(上限はありますが下限はありません)。したがって、値域は
$y\leq 4$
です。
例題3(応用)
問題
関数 $y=x^2$ のグラフと、直線 $y=x+2$ のグラフの共有点の座標をすべて求めなさい。
解答・解説を見る
共有点とは、2つのグラフの両方に同時にのっている点のことです。つまり、共有点の $x$ 座標は、$y=x^2$ の右辺と $y=x+2$ の右辺が等しくなる $x$、すなわち
$x^2=x+2$
を満たす $x$ です。この方程式を解きます。
右辺の $x+2$ を左辺に移項します(符号を変えて反対側に移します)。
$x^2-x-2=0$
左辺を因数分解します。かけて $-2$、足して $-1$ になる2つの数を探すと、$-2$ と $1$ が見つかります($-2\times 1=-2$、$-2+1=-1$)。
$(x-2)(x+1)=0$
「$A\times B=0$ ならば $A=0$ または $B=0$」という性質を使うと、
$x-2=0 \quad \text{または} \quad x+1=0$
より、
$x=2 \quad \text{または} \quad x=-1$
が得られます。
それぞれの $x$ の値を $y=x+2$(計算が簡単な直線の式)に代入して、対応する $y$ の値を求めます。
$x=2$ のとき、
$y=2+2=4$
$x=-1$ のとき、
$y=-1+2=1$
念のため、$y=x^2$ の方にも代入して確かめておきましょう。$x=2$ のとき $y=2^2=4$、$x=-1$ のとき $y=(-1)^2=1$ となり、どちらも一致しています。
したがって、共有点の座標は $(2,4)$ と $(-1,1)$ の2点です。
練習問題
問題
$f(x)=x^2-4x$ とする。次の問いに答えなさい。
(1) $f(1)$ と $f(-2)$ の値を求めなさい。 (2) 関数 $y=f(x)$ のグラフと $x$ 軸との共有点の $x$ 座標をすべて求めなさい。
答え
(1) $f(1)=1^2-4\times 1=1-4=-3$
$f(-2)=(-2)^2-4\times(-2)=4+8=12$
(2) $x$ 軸は $y=0$ の直線なので、$f(x)=0$ を解けばよい。
$x^2-4x=0$
$x(x-4)=0$
$x=0 \quad \text{または} \quad x=4$
よって、共有点の $x$ 座標は $x=0,4$ です。