数学C / 平面上の曲線と複素数平面
頻出解法パターン
パターン1: 曲線の定義(距離の性質)を使って焦点までの距離を求める
こんな問題で使う
「楕円(または双曲線)上の点から、一方の焦点までの距離が与えられたとき、もう一方の焦点までの距離を求めよ」という問題。
解法の手順
- 標準形と見比べて $a$、$b$、$c$ を求める。
- 楕円なら $\mathrm{PF}+\mathrm{PF'}=2a$、双曲線なら $|\mathrm{PF}-\mathrm{PF'}|=2a$ という、定義そのものの関係式を使う(座標を求める必要はない)。
- 与えられた距離を代入して、もう一方の距離を求める。
具体例
双曲線 $\dfrac{x^2}{9}-\dfrac{y^2}{16}=1$ の焦点を $\mathrm{F}(5,0)$、$\mathrm{F}'(-5,0)$ とする($a=3$、$b=4$、$c=\sqrt{9+16}=5$)。頂点 $(3,0)$ を含む枝の上の点 $\mathrm{P}$ について $\mathrm{PF}=8$ のとき、$\mathrm{PF'}-\mathrm{PF}=2a=6$ より、
$\mathrm{PF'} = 8+6 = 14$
パターン2: 直線が2次曲線に接する条件を判別式で求める
こんな問題で使う
「直線 $y=mx+k$ が2次曲線に接するように、定数 $k$ の値を求めよ」という問題。
解法の手順
- 直線の式を曲線の式に代入し、$x$(または $y$)についての2次方程式を作る。
- 「接する」は「共有点が1個」なので、判別式 $D=0$ という条件を立てる。
- $D=0$ を解いて、求める定数の値を得る。
具体例
直線 $y=2x+k$ が放物線 $y^2=4x$ に接する条件を求めます。代入すると、
$(2x+k)^2=4x$
$4x^2+4kx+k^2=4x$
$4x^2+(4k-4)x+k^2=0$
判別式は、
$D=(4k-4)^2-4\times4\times k^2 = 16k^2-32k+16-16k^2 = -32k+16$
$D=0$ より $-32k+16=0$、すなわち $k=\dfrac{1}{2}$。
パターン3: 曲線上の点における接線の公式を使う
こんな問題で使う
「楕円(双曲線・放物線)上のある点における接線の方程式を求めよ」という問題。
解法の手順
- 与えられた点が、本当に曲線の上にあるかを確認する(方程式に代入して成り立つか確かめる)。
- 曲線の種類に応じた接線の公式($\dfrac{x_0x}{a^2}\pm\dfrac{y_0y}{b^2}=1$ や $y_0y=2p(x+x_0)$)に、点の座標を代入する。
- 得られた式を整理する。
具体例
双曲線 $\dfrac{x^2}{9}-\dfrac{y^2}{4}=1$ 上の点 $(3\sqrt{2}, 2)$(代入すると $\dfrac{18}{9}-\dfrac{4}{4}=2-1=1$ となり曲線上にあることを確認できる)における接線を求めます。公式 $\dfrac{x_0x}{a^2}-\dfrac{y_0y}{b^2}=1$ に代入すると、
$\frac{3\sqrt{2}}{9}x - \frac{2}{4}y = 1 \quad\Longrightarrow\quad \frac{\sqrt{2}}{3}x-\frac{1}{2}y=1$
両辺を $6$ 倍して分数を払うと、$2\sqrt{2}x-3y=6$。
パターン4: 媒介変数表示から曲線を特定する
こんな問題で使う
「$x=\cdots$、$y=\cdots$($\theta$ を含む式)で表される点はどのような曲線を描くか」という問題。
解法の手順
- $x$、$y$ の式を、それぞれ $\cos\theta=\cdots$、$\sin\theta=\cdots$ の形に整理する。
- 三角関数の相互関係 $\cos^2\theta+\sin^2\theta=1$ に代入する。
- 得られた $x$、$y$ の関係式から、曲線の種類(円、楕円など)を判断する。
具体例
$x=2+3\cos\theta$、$y=-1+3\sin\theta$ について、$\cos\theta=\dfrac{x-2}{3}$、$\sin\theta=\dfrac{y+1}{3}$ なので、
$\left(\frac{x-2}{3}\right)^2+\left(\frac{y+1}{3}\right)^2=1$
$(x-2)^2+(y+1)^2=9$
これは、中心 $(2,-1)$、半径 $3$ の円です。
パターン5: 極方程式と直交座標の方程式を変換する
こんな問題で使う
「極方程式を直交座標の方程式に直せ」、または逆に「直交座標の方程式を極方程式に直せ」という問題。
解法の手順
- $x=r\cos\theta$、$y=r\sin\theta$、$r^2=x^2+y^2$ の3つの置きかえ道具を用意する。
- 極方程式の場合は、$r\cos\theta$、$r\sin\theta$、$r^2$ の形が作れるように式を変形してから代入する。
- 直交座標の方程式の場合は、逆に $x$、$y$ を $r\cos\theta$、$r\sin\theta$ に置きかえ、$r$ について整理する。
具体例
直交座標での直線の方程式 $x+y=4$ を極方程式に直します。$x=r\cos\theta$、$y=r\sin\theta$ を代入すると、
$r\cos\theta+r\sin\theta=4$
左辺を $r$ でくくります。
$r(\cos\theta+\sin\theta)=4$
両辺を $(\cos\theta+\sin\theta)$ で割ります。
$r = \frac{4}{\cos\theta+\sin\theta}$
パターン6: ド・モアブルの定理で複素数の累乗を計算する
こんな問題で使う
「$(a+bi)^n$ を計算せよ」のように、複素数の高い累乗を求める問題。
解法の手順
- 複素数を極形式 $r(\cos\theta+i\sin\theta)$ に直す(絶対値 $r$ と偏角 $\theta$ を求める)。
- ド・モアブルの定理 $\left[r(\cos\theta+i\sin\theta)\right]^n=r^n(\cos n\theta+i\sin n\theta)$ を適用する。
- $r^n$ を計算し、$n\theta$ を求めて、その角の $\cos$、$\sin$ の値を使って最終的な複素数の形に戻す。
具体例
$(\sqrt{3}-i)^5$ を計算します。$\sqrt{3}-i$ の絶対値は $r=\sqrt{3+1}=2$、偏角は $\cos\theta=\dfrac{\sqrt{3}}{2}$、$\sin\theta=-\dfrac{1}{2}$ より $\theta=-30^\circ$ です。
$(\sqrt{3}-i)^5 = 2^5\left(\cos(-150^\circ)+i\sin(-150^\circ)\right)$
$2^5=32$、$\cos(-150^\circ)=-\dfrac{\sqrt{3}}{2}$、$\sin(-150^\circ)=-\dfrac{1}{2}$ なので、
$(\sqrt{3}-i)^5 = 32\left(-\frac{\sqrt{3}}{2}-\frac{1}{2}i\right) = -16\sqrt{3}-16i$
パターン7: 複素数平面の共線条件・垂直条件を使って角を調べる
こんな問題で使う
「複素数平面上の3点でできる三角形が、直角三角形(または3点が一直線上)であることを示せ」という問題。
解法の手順
- 直角(または一直線)の頂点(基準点)を $z_1$ とし、他の2点を $z_2$、$z_3$ とする。
- $\dfrac{z_3-z_1}{z_2-z_1}$ を計算する(分母の共役複素数を分母・分子に掛けて、分母を実数にする)。
- 結果が純虚数なら直角(垂直)、実数なら一直線上にあることがわかる。
具体例
複素数平面上の3点 $z_1=1+i$、$z_2=4+3i$、$z_3=-1+4i$ について、$\angle$($z_2$ から見て $z_1$ を頂点とする角)を調べます。
$z_2-z_1 = 3+2i, \qquad z_3-z_1 = -2+3i$
$\frac{z_3-z_1}{z_2-z_1} = \frac{-2+3i}{3+2i} = \frac{(-2+3i)(3-2i)}{(3+2i)(3-2i)}$
分子を展開します。
$(-2+3i)(3-2i) = -6+4i+9i-6i^2 = -6+13i+6 = 13i$
分母を計算します。
$(3+2i)(3-2i) = 9+4 = 13$
したがって、$\dfrac{z_3-z_1}{z_2-z_1}=\dfrac{13i}{13}=i$ となり、純虚数です。よって、$z_1$ を頂点とする角は $90^\circ$ です。