数学II / 三角関数
三角方程式・不等式
要点整理
三角方程式の解き方の基本方針
$\sin\theta = a$ や $\cos\theta = a$、$\tan\theta = a$ のように、三角関数を含む方程式を三角方程式といいます。三角方程式を解くときは、単位円を使って、条件を満たす動径の位置を図でとらえるのが基本方針です。多くの問題では $0 \le \theta < 2\pi$ のように角の範囲が指定されているので、その範囲の中で答えをすべて求めます。
$\sin\theta = a$ を解く手順
- 単位円をかく。
- $\sin\theta$ は単位円上の点の $y$ 座標なので、直線 $y=a$ を引く。
- 単位円と直線 $y=a$ の交点を求め、原点からその交点に向かう動径が表す角 $\theta$ を、指定された範囲内ですべて読み取る。
$\cos\theta = a$ を解く手順
同様に、$\cos\theta$ は単位円上の点の $x$ 座標なので、直線 $x=a$ を引いて、単位円との交点に対応する角を求めます。
$\tan\theta = a$ を解く手順
$\tan\theta$ は、単位円上の点 $\mathrm{P}$ に対して、点 $(1,0)$ における単位円の接線(直線 $x=1$)上で、原点と点 $\mathrm{P}$ を結ぶ直線を延長した交点の $y$ 座標として読み取れます。実用的には、$\tan\theta=a$ となる基準の角を1つ見つけ、そこから $\pi$(半周期)ごとに解が繰り返し現れる、と考えると求めやすいです。
三角不等式の解き方の基本方針
$\sin\theta > a$ のような不等式も、単位円を使って考えます。例えば $\sin\theta > a$ を解くときは、まず $\sin\theta = a$ となる境界の角を求め、単位円上で $y$ 座標が $a$ より大きくなる弧の範囲(動径がどこからどこまで動けばよいか)を読み取ります。$\cos\theta$ の不等式も同様に、$x$ 座標に注目して考えます。
不等式では「その境界の角を含むかどうか」(等号を含むかどうか)にも注意しましょう。
例題
例題1(基本)
問題 $0 \le \theta < 2\pi$ のとき、方程式 $\sin\theta = \dfrac{1}{2}$ を解きなさい。
解答・解説を見る
単位円をかき、直線 $y=\dfrac{1}{2}$ を引きます。この直線と単位円の交点は2つあり、それぞれ第1象限と第2象限にあります。
$\sin\theta=\dfrac{1}{2}$ となる基本の角は $\theta=\dfrac{\pi}{6}$ です($30°$ にあたる有名角)。単位円で $y=\dfrac{1}{2}$ となるもう1つの交点は、$y$ 軸に関して(正確には $\theta=\dfrac{\pi}{2}$ の位置を基準に)対称な位置にあり、角度としては
$\theta = \pi - \frac{\pi}{6} = \frac{6\pi}{6} - \frac{\pi}{6} = \frac{5\pi}{6}$
の位置になります。この2つ以外に、$0 \le \theta < 2\pi$ の範囲で $\sin\theta=\dfrac{1}{2}$ となる角はありません。
答え: $\theta = \dfrac{\pi}{6}, \ \dfrac{5\pi}{6}$
例題2(標準)
問題 $0 \le \theta < 2\pi$ のとき、方程式 $2\cos\theta + \sqrt{3} = 0$ を解きなさい。
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まず $\cos\theta$ について解きます。両辺から $\sqrt{3}$ を引くと、
$2\cos\theta = -\sqrt{3}$
両辺を $2$ で割ると、
$\cos\theta = -\frac{\sqrt{3}}{2}$
単位円で $x=-\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ となる点を探します。$\cos\theta=\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ となる基本の角は $\theta=\dfrac{\pi}{6}$ なので、符号が負になる($x$座標が負になる)のは第2象限と第3象限です。
- 第2象限: $\theta = \pi - \dfrac{\pi}{6} = \dfrac{5\pi}{6}$
- 第3象限: $\theta = \pi + \dfrac{\pi}{6} = \dfrac{7\pi}{6}$
答え: $\theta = \dfrac{5\pi}{6}, \ \dfrac{7\pi}{6}$
例題3(応用)
問題 $0 \le \theta < 2\pi$ のとき、不等式 $\sin\theta \ge \dfrac{\sqrt{2}}{2}$ を解きなさい。
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まず境界となる方程式 $\sin\theta = \dfrac{\sqrt{2}}{2}$ を解きます。基本の角は $\theta=\dfrac{\pi}{4}$ で、もう1つの解は
$\theta = \pi - \frac{\pi}{4} = \frac{3\pi}{4}$
です。
次に、単位円上で $y$ 座標が $\dfrac{\sqrt{2}}{2}$ 以上になる部分を考えます。単位円の一番上の点($\theta=\dfrac{\pi}{2}$、$y$座標は最大値の $1$)を含む、$\theta=\dfrac{\pi}{4}$ から $\theta=\dfrac{3\pi}{4}$ までの弧の部分で、$y$ 座標が $\dfrac{\sqrt{2}}{2}$ 以上になります。不等号に等号が含まれているので、境界の角 $\theta=\dfrac{\pi}{4}, \dfrac{3\pi}{4}$ 自身も含みます。
答え: $\dfrac{\pi}{4} \le \theta \le \dfrac{3\pi}{4}$
練習問題
問題 $0 \le \theta < 2\pi$ のとき、次の方程式・不等式を解きなさい。 (1) $\tan\theta = -1$ (2) $\cos\theta < -\dfrac{1}{2}$
答え
(1) $\tan\theta=-1$ の基本の角は $\theta=\dfrac{3\pi}{4}$(第2象限)。$\tan$ の周期は $\pi$ なので、もう1つの解は $\dfrac{3\pi}{4}+\pi=\dfrac{7\pi}{4}$(第4象限)。よって $\theta=\dfrac{3\pi}{4}, \dfrac{7\pi}{4}$
(2) $\cos\theta=-\dfrac{1}{2}$ の解は $\theta=\dfrac{2\pi}{3}, \dfrac{4\pi}{3}$。$x$座標がこれより小さい(左側にある)範囲を考えて、$\dfrac{2\pi}{3} < \theta < \dfrac{4\pi}{3}$