数学III / 微分法
接線・法線と関数の増減
要点整理
接線と法線の方程式
数学IIでも学びましたが、改めて確認します。関数 $f(x)$ が $x=a$ で微分可能であるとき、$f'(a)$ は、曲線 $y=f(x)$ 上の点 $(a,f(a))$ における接線の傾きを表しています。直線の方程式は「1点と傾きが分かれば決まる」ので、この点における接線の方程式は、
$y-f(a) = f'(a)(x-a)$
と書けます。
法線とは、その点で接線に垂直に交わる直線のことです。2直線が垂直に交わるとき、それぞれの傾きの積は $-1$ になる、という関係($f'(a)\neq 0$ のとき)を使うと、法線の傾きは $-\dfrac{1}{f'(a)}$ になります。したがって、法線の方程式は、
$y-f(a) = -\frac{1}{f'(a)}(x-a)$
となります($f'(a)=0$ のときは接線が水平になるので、法線は $x=a$ という縦の直線になります)。
平均値の定理
関数の増減を導関数の符号から判断できる理由を理解するために、平均値の定理という重要な定理を紹介します。
関数 $f(x)$ が閉区間 $[a,b]$ で連続、開区間 $(a,b)$ で微分可能であるとき、
$f'(c) = \frac{f(b)-f(a)}{b-a}$
を満たす $c$ が、開区間 $(a,b)$ の中に少なくとも1つ存在する。
右辺 $\dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}$ は、2点 $(a,f(a))$ と $(b,f(b))$ を結ぶ直線(平均変化率を表す直線)の傾きです。この定理は、「曲線の両端を結ぶ直線の傾きと、まったく同じ傾きを持つ接線が、その曲線上のどこか(少なくとも1か所)に必ず存在する」ということを主張しています。
導関数の符号と関数の増減
平均値の定理を使うと、次のことが分かります。ある区間で常に $f'(x)>0$ であるとします。この区間内の任意の2点 $a
$\frac{f(b)-f(a)}{b-a} = f'(c) > 0\quad(a を満たす $c$ が存在します。$b-a>0$ なので、この式全体を見ると $f(b)-f(a)>0$、つまり $f(b)>f(a)$ となります。$a増加している、ということです。同じように、$f'(x)<0$ である区間では $f(x)$ は減少します。まとめると、 この事実を使って、関数の増減を調べる手順は次の通りです。 $f'(x)$ の符号が、ある点の前後で正から負に変わるとき、その点で $f(x)$ は極大になります(山の頂上のイメージ)。逆に、負から正に変わるとき、その点で $f(x)$ は極小になります(谷底のイメージ)。符号が変わらない場合は、極大にも極小にもなりません。 問題 関数 $y=x^2-3x+2$ の、$x=1$ における接線と法線の方程式を、それぞれ求めなさい。 接点の座標を求める $f(x)=x^2-3x+2$ とすると、 $f(1) = 1^2-3\times 1+2 = 1-3+2 = 0$ 接点は $(1,0)$ です。 傾き $f'(1)$ を求める $f'(x) = 2x-3 \quad\Longrightarrow\quad f'(1) = 2\times 1-3 = -1$ 接線の方程式 接線の公式 $y-f(a)=f'(a)(x-a)$ に、$a=1$、$f(1)=0$、$f'(1)=-1$ を代入します。 $y-0 = -1\times(x-1)$ $y = -x+1$ 法線の方程式 法線の傾きは $-\dfrac{1}{f'(1)}=-\dfrac{1}{-1}=1$ です。法線の公式に代入します。 $y-0 = 1\times(x-1)$ $y = x-1$ 答え:接線 $y=-x+1$、法線 $y=x-1$ 問題 関数 $f(x)=x^3-3x^2-9x+5$ の増減を調べ、極大値・極小値を求めなさい。 $f'(x)$ を求めて因数分解する $f'(x) = 3x^2-6x-9$ 共通因数 $3$ でくくります。 $f'(x) = 3(x^2-2x-3)$ $x^2-2x-3$ を因数分解すると、積が $-3$、和が $-2$ になる2数は $-3$ と $1$ なので、 $f'(x) = 3(x-3)(x+1)$ $f'(x)=0$ となる $x$ を求める $3(x-3)(x+1)=0 \quad\Longrightarrow\quad x=3,\ -1$ 符号を調べて増減表を作る $x=-1$ の前後で符号が正から負に変わるので、$x=-1$ で極大になります。 $f(-1) = (-1)^3-3(-1)^2-9(-1)+5 = -1-3+9+5 = 10$ $x=3$ の前後で符号が負から正に変わるので、$x=3$ で極小になります。 $f(3) = 3^3-3\times 3^2-9\times 3+5 = 27-27-27+5 = -22$ 答え:$x=-1$ で極大値 $10$、$x=3$ で極小値 $-22$。$x<-1$、$x>3$ で増加、$-1 問題 $x>0$ のとき、不等式 $e^x>x+1$ が成り立つことを、関数の増減を利用して証明しなさい。 証明したい不等式を「(左辺)$-$(右辺)$>0$」の形に整理して、関数として考えます。 $g(x) = e^x-x-1$ とおくと、示したいことは「$x>0$ のとき $g(x)>0$」です。 $g(0)$ の値を確認する $g(0) = e^0-0-1 = 1-0-1 = 0$ $g'(x)$ を求めて符号を調べる $g'(x) = e^x-1$ 指数関数 $e^x$ は、すべての実数 $x$ に対して常に正の値を取り、しかも $(e^x)'=e^x>0$ が常に成り立つため、$e^x$ 自身が(定義域全体で)増加関数であることが分かります。したがって、$x>0$ のとき、 $e^x > e^0 = 1$ が成り立ちます。これより、$x>0$ のとき、 $g'(x) = e^x-1 > 0$ 増加であることから不等式を導く $g'(x)>0$($x>0$ の範囲で)なので、$g(x)$ はこの範囲で増加関数です。$g(0)=0$ であり、$g(x)$ が $x>0$ で増加しているということは、$x>0$ のどんな値を取っても、 $g(x) > g(0) = 0$ が成り立つ、ということです。すなわち、 $e^x-x-1>0 \quad\Longrightarrow\quad e^x>x+1$ 以上より、$x>0$ のとき $e^x>x+1$ が成り立つことが証明されました。 答え:$g(x)=e^x-x-1$ とおくと $g(0)=0$、$x>0$ で $g'(x)=e^x-1>0$ となり $g$ は増加するので、$x>0$ のとき $g(x)>g(0)=0$、すなわち $e^x>x+1$ が成り立つ。 問題1 関数 $y=x^2+1$ の、$x=2$ における接線と法線の方程式を、それぞれ求めなさい。 $f(2)=5$、$f'(x)=2x$、$f'(2)=4$ です。接線は $y-5=4(x-2)$ より $y=4x-3$。法線は傾き $-\dfrac14$ より $y-5=-\dfrac14(x-2)$、整理して $y=-\dfrac14x+\dfrac{11}{2}$ です。 問題2 関数 $f(x)=x^3-3x$ の増減を調べ、極大値・極小値を求めなさい。 $f'(x)=3x^2-3=3(x-1)(x+1)$ より $x=-1,1$ が候補。$x<-1$で増加、$-1
例題
例題1(基本)
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例題2(標準)
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例題3(応用)
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練習問題
答え
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