数学II

共通テスト対策

この科目の共通テストでの傾向

共通テストの数学IIの範囲(いろいろな式、図形と方程式、指数関数・対数関数、三角関数、微分・積分の考え)は、共通テストでは他の分野(数列、ベクトルなど)と組み合わされた大問の中に登場することが多く、単元ごとに独立した知識だけでなく、複数の単元をまたいで使う力が試されます。

出題の特徴として、次のような点が挙げられます。

  • 問題文が長く、状況設定が丁寧に書かれている: 誘導(小問の流れ)に沿って解き進める形式が中心です。前の小問で求めた結果を、次の小問でそのまま使うことがほとんどなので、途中でミスをすると後の問題にも影響してしまいます。
  • 穴埋め形式が多い: 記述式ではなく、空欄に当てはまる数値や式を選ぶ・埋める形式です。途中式を省略せず、丁寧に計算する習慣が結果的に得点につながります。
  • グラフや図を読み取らせる問題が多い: 三角関数のグラフ、3次関数のグラフ、図形と方程式での円・直線の位置関係など、視覚的に情報を読み取る力が求められます。
  • 公式の意味を問う問題がある: 公式を暗記しているだけでなく、「なぜその公式が成り立つのか」を理解しているかどうかを問う、やや変わった角度からの出題も見られます。
  • 時間配分がシビア: 計算量が多いので、有理化や展開、因数分解などの基本計算を素早く正確に行うことが、時間内に解き切るための鍵になります。

単元別の対策ポイント

いろいろな式

整式の割り算、分数式の計算、二項定理、恒等式、等式・不等式の証明、複素数と方程式(2次方程式の解と判別式、剰余の定理・因数定理)などを扱う単元です。共通テストでは、剰余の定理や因数定理を使って整式の値を求める問題、判別式を使って解の種類を判定する問題が狙われやすいです。基本公式を覚えるだけでなく、「なぜその式変形が正しいのか」を一度自分の手で導いておくと、応用問題にも対応しやすくなります。

図形と方程式

点と直線・円の関係を座標を使って調べる単元です。2点間の距離、内分点・外分点、直線の方程式、円の方程式、点と直線の距離の公式、円と直線の位置関係(判別式や距離で判定)、軌跡、不等式の表す領域などが出題されます。共通テストでは、図をイメージしながら式を立てる練習が特に重要です。問題文だけで状況が分かりにくいときは、簡単な図をその場でかいてみることを習慣にしましょう。

指数関数・対数関数

指数の拡張(有理数・実数までの指数)、指数関数のグラフ、対数の定義と性質、対数関数のグラフ、指数方程式・不等式、対数方程式・不等式、常用対数の利用(桁数や小数点以下の位を求める問題)などを扱います。共通テストでは、$\log_{10}2$ や $\log_{10}3$ などの近似値が与えられ、それを使って大きな数の桁数を求めるタイプの実用的な問題がよく出ます。指数法則・対数法則を正確に、逆向きにも使えるようにしておくことが大切です。

三角関数

弧度法、一般角に対する三角関数の定義、相互関係、グラフ、三角方程式・不等式、加法定理とそこから派生する2倍角・半角・合成の公式などを扱います。共通テストでは、観覧車の高さや振動といった、現実の周期的な現象を三角関数でモデル化する問題がよく出題されます。合成の公式を使って1つの $\sin$(または $\cos$)にまとめる力、そしてグラフの周期・振幅から最大値・最小値を素早く読み取る力を鍛えておきましょう。

微分・積分の考え

平均変化率と微分係数、導関数の計算、接線の方程式、関数の増減と極値、3次関数のグラフ、方程式・不等式への応用、不定積分、定積分と面積を扱う単元です。共通テストでは、利益や体積などを表す3次関数の最大値を求めさせる実用的な文脈の問題や、面積を求める過程を穴埋めで誘導する問題がよく出ます。増減表を素早く正確に作る力と、面積の6分の1公式のような計算を時短できるテクニックを身につけておくと有利です。

実戦問題

実戦問題1

点 $(2,3)$ を通り、円 $x^2+y^2=4$ に接する直線の方程式をすべて求めなさい。

解答・解説を見る

円の中心は原点 $\mathrm{O}(0,0)$、半径は $2$ です。まず、点 $(2,3)$ が円の外部にあることを確認します。$2^2+3^2=4+9=13>4$ なので、確かに円の外部にあり、この点からは接線が2本引けます。

傾きを持つ直線の場合: 直線を $y-3=m(x-2)$、つまり $mx-y+(3-2m)=0$ とおきます。原点からこの直線までの距離が半径 $2$ に等しいという条件を、点と直線の距離の公式で立てます。

$\frac{|3-2m|}{\sqrt{m^2+1}} = 2$

両辺を2乗します。

$(3-2m)^2 = 4(m^2+1)$

左辺を展開します。

$9-12m+4m^2 = 4m^2+4$

両辺から $4m^2$ を引きます。

$9-12m = 4$

$m$ について解きます。

$-12m = 4-9 = -5 \quad\Longrightarrow\quad m = \frac{5}{12}$

このとき直線は $y-3=\dfrac{5}{12}(x-2)$ で、両辺を $12$ 倍して整理すると、

$12y-36 = 5(x-2) = 5x-10 \quad\Longrightarrow\quad 5x-12y+26=0$

傾きを持たない直線(垂直な直線)の場合: $x=2$ という直線も検討します。原点からこの直線までの距離は $2$ で、ちょうど半径と一致するので、これも接線です(傾きの形では表せない解なので、見落とさないように別途確認する必要があります)。

答え: $x=2$、$5x-12y+26=0$

実戦問題2

ある観覧車は、地上からの高さ $h$ メートルが、乗ってからの時間 $t$ 分後に

$h(t) = 15-15\cos\frac{\pi t}{6}$

で表されるとする($0\le t<12$)。高さがちょうど $22.5$ メートルになるのは、乗ってから何分後か、すべて求めなさい。

解答・解説を見る

$h(t)=22.5$ とおいて方程式を立てます。

$15-15\cos\frac{\pi t}{6} = 22.5$

$-15\cos\dfrac{\pi t}{6}$ の項だけを左辺に残すために、両辺から $15$ を引きます。

$-15\cos\frac{\pi t}{6} = 7.5$

両辺を $-15$ で割ります。

$\cos\frac{\pi t}{6} = -\frac{7.5}{15} = -\frac12$

$0\le t<12$ のとき、$\dfrac{\pi t}{6}$ の範囲は $0\le\dfrac{\pi t}{6}<2\pi$ です。この範囲で $\cos\theta=-\dfrac12$ となる $\theta$ は $\theta=\dfrac{2\pi}{3}, \dfrac{4\pi}{3}$ です。

$\dfrac{\pi t}{6}=\dfrac{2\pi}{3}$ のとき、両辺に $\dfrac{6}{\pi}$ を掛けて、

$t = \frac{2\pi}{3}\times\frac{6}{\pi} = \frac{12}{3} = 4$

$\dfrac{\pi t}{6}=\dfrac{4\pi}{3}$ のとき、同様に、

$t = \frac{4\pi}{3}\times\frac{6}{\pi} = \frac{24}{3} = 8$

答え: 乗ってから $4$ 分後と $8$ 分後

実戦問題3

ある製品を月に $x$(千個)生産するときの利益 $P(x)$(万円)が、

$P(x) = -x^3+6x^2 \quad (0\le x\le6)$

で表されるとする。利益 $P(x)$ を最大にする生産量 $x$ と、そのときの利益の最大値を求めなさい。

解答・解説を見る

$P(x)$ を微分します。

$P'(x) = -3x^2+12x = -3x(x-4)$

$P'(x)=0$ を解くと、$x=0, 4$ です($0\le x\le6$ の範囲に両方含まれます)。

符号を調べる: $-3x(x-4)$ について、

  • $00$ より $P'(x)>0$(増加)
  • $4

よって、$x=4$ で極大かつ、この区間での最大値になります。

最大値を計算する: 端点も含めて比較します。

$P(0) = 0, \qquad P(4) = -64+96 = 32, \qquad P(6) = -216+216 = 0$

$P(4)=32$ が最も大きい値なので、これが区間 $0\le x\le6$ 全体での最大値です。

答え: $x=4$(千個)のとき、利益は最大値 $32$(万円)をとる